RI(国際ロータリー)テーマについて

RI(国際ロータリー)テーマについて

RI第2610地区ガバナー 崎山 武夫氏(氷見RC会員)

地区テーマ
 RIテーマは「地域を育み、大陸をつなぐ」だが、今までのテーマとかなり違っている。「地域」という言葉が入ってる。考えてみれば105年前、ポール・ハリスがRC活動を始めたときは地域の「草の根運動」だった。
 それが世界に広がると、地域という足元がおろそかになってきた。だが、現在の経済情勢と当時の社会情勢には共通点があると思う。そこで地区テーマを「地域に合った、オリジナルで独創的な活動をしよう」にした。
 私が特に言いたいのはオリジナルということ。自分らの頭で考え、自分らが主体的に行動し、他の団体を巻き込むことができたらとても素晴らしい。RCの地域での位置づけも上がるだろう。

地域密着活動
 人口の多い所での地域密着活動は、ちょっとしたことでは目立たず難しい。過疎の地域は限界集落などいろんな課題がある。そういう所にあるRCがちょっとしたアイデアを打ち出せば、地域行政・団体ともタイアップでき、地域になくてはならない存在になる。
 では、金沢のような人口が多い所はどうか。先日、高岡RCで会長の話を聞き「あっ!」と思った。国宝の瑞龍寺は昔は七堂伽藍だったが、火事で5つになっている。会長は「7つにしたい。高岡RCが中心になって準備委員会をつくりたい」と話した。何億円、何年かかるか分からない。しかし、RCが意思表明したことがスゴイこと。そこから一歩が進む。

長期計画
 現在RCは単年度主義。それには欠陥がある。第一は思い切った大きなことができないこと。3~5年のサイクルでやればそれなりの事ができる。
 (その点で)周年事業は大事である。早くから準備委員会をつくり、何をするかを決めることが大事。よくあるのが、1年前まで何もしないケース。これでは、たいしたことはできない。周年の式典は、自分らがやった事業を地域の皆さんに披露する場なのである。
 二つ目の欠陥は人材が育たない。現委員長と次の委員長が長期的な視野をもっていれば、委員長の考えが次に伝わる。「増強」も1年で何人増やすではなく、5年後に5割増やそうと考えれば動き方も違ってくる。

職業奉仕
 これには思い入れがある。(クラブ要覧「2610地区運営方針」の4ページ目「職業奉仕」の文章を朗読)。日本は高度経済成長で簡単に稼げる体験をし、労働・職業に真摯に取り組む考え方がズタズタになった。今は大失業時代。そうなってあたふたしている。職業奉仕はRCの金看板のはず。それ(職業観)がおかしくなっていることを傍観しているのはロータリーらしくない。
 各クラブでは職場体験支援や出前授業、模擬就職面接などをやっているが、私はフォーラム的なことをやることにしている。

ロータリー財団
 いろんな問題が噴出している。ロータリー会員は日本や米国、英国では減少しているが、世界全体では増えている。特に、インド、韓国、旧東欧で増えている。だが、財団に寄付しているのは全体の4分の1。そういうことになっている。
 財団はリーマン・ショック以降、大きな運用損失を出した。お金の行方が不透明との指摘もある。ビル・ゲイツ氏から2億5500万ドルもの資金供与を受けたが、いびつだと思う。ポリオ撲滅運動はなかなか終結しない。RIはある意味、執念を持っているが、日本のようにポリオがない国はモヤモヤしている。
 そのような中で、財団は大きな改革をする。3年後から始まる「未来の夢計画」である。

RI(国際ロータリー)テーマについて終わりに
 国際協議会に行ったときの話です。入り口に「入りて学ぶ」、出口には「出でて奉仕せよ」という言葉があった。この2つを1つのフレーズにして口に出した。何といい言葉だと思った。例会は学びの場。例会場にあってもいいのかなと思う。