2018年の北陸豪雪への対応について

2018年の北陸豪雪への対応について

西日本旅客鉄道(株)金沢支社 支社長
児島 邦昌 氏(金沢西RC会員)

 このたびの豪雪でロータリークラブの会員の皆様、地元石川県の皆様に大変なご迷惑をおかけしました。2月4日から14日まで日本海寒帯気団収束帯という難しい名前の低気圧が次から次へと北陸めがけてやってきて記録的な大雪に見舞われました。
幹線道路は大渋滞、高速道路は閉鎖、航空会社も欠航という状況の中、JRも例外ではなく、5日の夕方には特急が部分運休していましたが、6日、7日にはサンダーバード、しらさぎ、普通ローカルの敦賀―福井間、福井―金沢間もすべて止まりました。8日の朝にようやく敦賀―福井間のローカル線の運転を再開、金沢―福井間は9日朝から運転再開となりました。
3連休中にも運休があったわけですが、JRはウエザーニューズと特別契約を結び、鉄道事業を理解したうえで予報、情報を提供、アドバイスもしてくれます。
 2月5日の15時ごろ、今庄駅で普通電車が雪を抱えて立ち往生するという大変ピンチの状況になりましたが、電車の下の雪を全部取って132分遅れて動き出しました。もう少し遅れていたら南条のしらさぎ、武生と福井、加賀温泉のサンダーバードがこの後の激しい降雪で雪に埋もれるところでした。ローカル線の特急がどんどん走っている路線の怖さです。
 降雪の初期段階ではラッセル車(キア143)が最大速度50キロで雪を蹴散らして除雪します。金沢に2両、福井に1両、敦賀に2両配備しています。さらに雪が多くなりますと、ロータリーとラッセルが一緒になったМCロータリーの出番となります。こちらは雪を線路の外に飛ばしながら時速2キロから5キロで進むため、除雪に時間がかかります。14両配備しています。2月7日には社員100人を動員し、牛ノ谷駅、芦原温泉駅などでホームの除雪に当たらせました。このうちの24人が帰ってくる途中の22時30分ごろ、加賀笠間駅で立ち往生、翌朝6時半に救助のロータリーが到着、ほとんど遭難といった事態で金沢駅に救助できたのは昼の12時半ごろでした。
 一方、北陸新幹線は2月に「つるぎ」が2本ほど運休したほかは、運休なしでした。ご利用者も前年比すると1月は4%、2月は5%か6%です。スノープラウという雪を掻きわける構造と、レールわきに高さ1メートルくらいの貯雪スペースがあり、降雪時に威力を発揮しています。MCロータリーも23両持っています。
 とくに今後の雪対策は新幹線についても富山地方で福井並みの降雪があったらどうなのかなど、いろいろな観点から検証が必要ですが、やはり在来線について、予報の精度向上、積雪状況の把握、カメラの高度化や設置個所の拡大などをきちんと進めていかねばなりません。さらに広報の強化です。どんな状況になっているか、お客様にご理解いただけるようにJRの状況を見える化する、マスコミに対して迅速に情報をきっちり提供していく、といったことが反省点かなと思っています。