顔のことば

顔のことば

アレキサンドル企画 顔学インストラクター 前田 紘一 氏

 「顔学」というものがあり、現在ではコンピューターで顔の分析をするのが主流となっている。私は美容師なので、顔とヘアスタイルの関係や顔と心の関係を分析している。
たとえば、人が物事を思い出そうとするときには、まず眉頭に力を入れ、次に口角を締める。これは眉頭や口角は副交感神経が集中しているからである。このように顔のいろいろな部位はいずれかの神経と関係があり、顔にはそのようなポイントが69カ所もある。
人の顔を眉、おでこなど上部、目などの中央部、口やあごといった下部という3つの分けると、上部は知性、中央部は感情、下部は意志力を表す。
まず、おでこは品格を表しており、おでこが広ければ広いほど品が良いということになる。品格を重んじる武士は額の髪を剃っていた(月代=さかやき)。次に、目は感情を表す。目は交感神経が関係しており、うれしい、悲しいはすべて目に表れる。
あごや口元には三叉神経が集中しているので、その人の意志の強さが表れる。歩くときにはあごを引いて口角を締めて歩くと、しゃんとしてカッコよい歩き方になるし、話し方についても口角を上げて話すと品格が高くなる。
脳の科学と関連した面白い分析を紹介する。自分の顔の右半分だけ、左半分だけを使った顔を作ってみると、全く違った顔になる。右半分だけで作られた顔は、その人の左脳の状態が反映されているのに対して、左半分だけで作られた顔は、その人の右脳の状態が反映されている。
私の場合は、左脳が司る順序良く、論理的なことは苦手なのに対して、右脳が司る空間的・感覚的な面は優れているのだが、このことは右半分で作った顔は弱々しく、逆に左半分で作った顔は生き生きとしていることに表れている。
私たちは、自分では自分の顔や声はわからないが、顔でしゃべると伝わり方も違ってくる。たとえば、楽しい話をするときには眉をほほえませて、口角をちょっと上げると笑顔になって楽しさが伝わる。
このように顔を分析して、自分を元気にしていくのに役立てていただければと思う。