金沢都ホテルの歴史について

金沢都ホテルの歴史について

(株)近鉄・都ホテルズ マーケティング・セールス部長
村口 幸久 氏(金沢西RC会員)

 皆様ご承知のとおり、平成29年3月をもちまして金沢都ホテルは閉館することが決まっております。金沢都ホテルは昭和38年3月に開業し、今年開業から53年目を迎えました。
 私が金沢にきてまだ3年であり、大変恐縮ですが、本日は、金沢都ホテルの歴史についてお話をしたいと思います。
 現在の金沢都ホテルは、金沢駅方面から見まして向かって左側の建物が一番古く、昭和38年開業当時からある建物で「旧館」と呼んでいます。また、向かって右側の建物は昭和58年に建てられた建物で、建築から30年以上経過していますが「新館」と呼んでいます。現在、金沢都ホテルは客室が191室あり、その他、レストランや皆様によくご利用いただいている珈琲サロン、宴会場等がございます。
 さて、金沢都ホテルが着工したのは昭和35年ころで、当時は雪がたくさん降る時代であり、地鎮祭のときも非常に雪深い写真が残っています。金沢都ホテルは北陸初の本格的ホテルとして建設され、昭和38年3月11日に開業しました。
 開業当時は5階にフロントやロビーがあり、金沢では初めての本格的な中華のレストランが設けられました。フロントカウントの中には翌年の東京オリンピックのポスターが貼られていました。当時、7階に大宴会場があり、大宴会場で金沢都ホテルの開業披露パーティーが開催されました。パーティーには北陸の政財界の方々が約800名参加していただき、北陸で初めて洋食を立食形式でお出ししたようです。パーティーのときも雪が深く、大阪から運ぶ什器がなかなか届かず間に合うかハラハラしたという話を聞いています。また、開業当時、金沢西ロータリーでは5階の奥の部屋で例会を開催していたようです。
 現在、7階のバーベルベディアには、開業当時からある屏風が今も飾られています。
 昭和38年5月には屋上に北陸初となるビアガーデンをオープンしました。ビアガーデンはアロハシャツを制服にしており、大変格好良かったと聞いています。
 その他の施設として1階に北國銀行金沢駅前支店があったり、商店街があったりしました。また、以前は金沢都ホテルの建物内に文化劇場やロキシーなどの映画館がありました。
 金沢都ホテルは2013年には開業50周年を迎え、金沢工業大学の学生に公募して記念のロゴを制作したり、各地の都ホテルの料理長4名にきてもらって腕を振るってもらうガラディナーを開催したりしました。
 開業以来金沢都ホテルが53年間営業してこられたことについて、これまでのご支援に深く感謝いたします。平成29年3月で休館し、今後のことはまだはっきりしていませんが新しいホテルが建設された場合には金沢都ホテルの精神を引き継いでおもてなしをさせていただきたいと思います。