
金沢東急ホテル 料飲マネジャー 中野 敦彦 氏(金沢西RC会員)
中野氏は開業32年の金沢東急ホテルについて、歴史を紹介しながら現状、将来への方向性について話されました。
東急ホテルというのは、親会社の東急電鉄のホテルということになりますが、不動産事業、ホテル事業、その他の収益が鉄道収入をはるかに上回っており、毎年1兆円を超えているのが東急グループです。
東急グループを作ったのは渋沢栄一さんという方で、その後、五島美術館で知られる五島慶太、息子の五島昇と2代続いた後、現在の野本弘文代表まで5代続いた代表はいずれも五島家と血縁関係はありません。
金沢東急ホテルは地上16階、地下3階。最上階の16階部分は会員制の客室2LDK6部屋で、2家族でお泊りいただけます。15、14、13階はラグジュアリーフロアでエレベーターに乗ったときにカードをかざすカードセキュリティーの作りです。それ以下6階までが一般客室。5階、4階が宴会場、3階は和食の金茶寮のお店、2階はフロントとレストラン・バー・ラウンジです。1階は玄関と美容室のみ、地下2階、3階が駐車場です。
客室総数は232室。北陸新幹線の金沢開業に合わせて客室改装に着手。観光のお客様が非常に多いのでツインが153室を占めています。このほかシングルを若干減らし、デラックスツイン金沢と銘打ちまして、小上がりになっていて靴を脱いで入る畳の部屋4部屋を作りました。金箔なんかもあしらって金沢らしさを強調しています。ダブル、スイートの部屋もございます。
大きく変わったのは1階エントランスと2階フロント周りです。2階には着物姿のコンシェルジュが常駐、ダイニング&バーラウンジ「マレ・ドール」はドールが金、マレが沢で、金沢を意味するフランス語の造語です。私どもの総支配人が以前あったレストラン「手鞠(てまり)」の面影を残したいということでマレ・ドール入口の表示板に手鞠の絵柄をあしらっています。手鞠があるから今があるという事です。
東急ホテルズは3つのブランドに分かれています。「東急REIホテル」はビジネスホテル、「エクセルホテル東急」は上質なビジネスホテル、「東急ホテル」は華やかで品格のある成熟のホスピタリティーでトップブランドになります。
金沢東急ホテルも一時エクセルの名称でしたが、現在はトップブランドに含まれ、気持ちを引き締めています。
中野氏の卓話は1985年の金沢東急ホテル開業の際、五島昇氏がヘリコプターで金沢入りした時のエピソードなども含め多岐にわたりました。ホテル事業の新しい流れを追求するとともに歴史都市金沢にふさわしい伝統を大切にする姿勢が感じられました。文字通り中心市街地活性化の核として今後の活動が期待されます。