金沢周辺の地震と津波

金沢周辺の地震と津波

(株)五井建築設計研究所代表取締役会長 新村 利夫氏(金沢西RC会員)

 今から210年前、寛政の金沢地震では金石が3~4mの津波を受け、建物100棟が被害、死者も多数出たという記録が残っています。平成19年の能登半島地震はM6.9でしたが津波はありませんでした。
金沢近郊には津幡、森本、金沢の山手を通って鶴来まで約25kmにわたって活断層があります。活断層は昔、地震で土地がずれた傷跡なので、また地震が起きる可能性があるということを理解しておく必要があります。
金沢の場合、海が大きく陥没する可能性はありません。津波は実績では3~4m、その2倍でも6mくらいですから、8号線の内側は全然心配ないと専門家はみています。
9・11事件でニューヨークの110階建てのビルが崩壊しましたが、日本の建築工法では絶対こういうことは起きません。アメリカの場合は、側面から台風のような強い風がきても建物に影響を与えないようにするのが設計の条件です。このため特殊なエアクッションを施してあります。飛行機が突っ込むとドミノのように簡単に倒れます。日本では柱や梁がボルトなどで緊結(きんけつ)、つまり固定されているので、少々の地震が来ても、揺れますが大丈夫なのです。