金沢の魅力とはなにか ~幽玄美と自然と

金沢の魅力とはなにか ~幽玄美と自然と

ビューティーホクリク 編集長 小西 裕太 氏

 1982年金沢市生まれ。オーストラリア留学後に北陸先端科学技術大学院大学修士課程修了。1999年より世界中の自然の音と音楽を組み合わせたヒーリングミュージックを中心としたネットレーベル K-MUSICLIFE を立ち上げる。2006年には K-MUSICLIFE YouTubeチャンネルを立ち上げ、海外を中心に登録者数45,000人、動画の再生合計数は 24,000,000回を超えGoogle公認のYouTuber となる。2008年より都内ITベンチャー企業取締役として勤務。2015年より石川の郷土愛が講じその魅力を伝えるWebマガジン「ビューティーホクリク」を制作運営を始める。

1.生い立ちと幽玄:幽玄との出会いは母親の死だったと思います。人と物との境界線を考えるようになりました。生と死の間にこそ本質があるということを発見しました。同じようなことを西田幾多郎氏が「絶対矛盾的自己同一」という言葉で表しています。幽玄、生と死の間は曼荼羅や能にもあります。この生と死の間の美が幽玄美だと思います。幽玄美は日本の美の入り口であると言われています。死生観・自然観について死を見つめること同じで自然を見つめることも大切です。

2.世界の宗教と自然:キリスト教=開拓と共に発展、仏教=水を大切にすることで発展する。自然と宗教は密接な関係があることがわかり、生きるものも死ぬものも神様までも自然であるということです。魯山人も「すべての源は自然である」と言っています。

3.幽玄美と自然美:幽玄美と死生観、自然美と宗教観に触れたところで金沢の魅力とはなにか、私は幽玄美と自然美との間にあるのが金沢であると思います。古いものと新しいものとにふれることができ、街を歩けば幽玄にふれることが魅力であると思います。自然美については金沢とは水と寄り添う町であるということです。犀川・浅野川・用水などが代表的ですが私は兼六園の黄門橋が好きです。ここは音が3Dで聴こえます。水のあるところに文化や思想や芸術が育つと山出保元金沢市長も言っておられました。金沢は水が運ぶ生命を感じ、幽玄美と自然美が絶妙なバランスで生死が行き交う街であると思います。