金沢おとなラジオ論

金沢おとなラジオ論

FM石川パーソナリティー 松岡 理恵 氏

 ラジオというのは、例えば工芸品の職人さんたちが手作業をしながらですとか、喫茶店やレストラン、車の中、ガソリンスタンドで流れているなど、本当に不特定多数の方が聴いてくださっているので、それをいつも忘れないように仕事をしています。
 かつて、先輩にアドバイスいただいたことがあります。それは、「アナウンサーとして生き残るためにはインタビューする力が大事だ」ということでした。それから私は、面白いと思っていただける話を引き出せるようにと、いつも心掛けています。
 インタビューする時には、ちょっと変わったことを質問してみたり、映画を観た感想のようにコメントしたりしています。そうすると、面白い感想を言ってもらったと、いい反応があったりします。
 また、インタビューしている人に喜んでもらいながらも、リスナーの皆さんにも面白いと思ってもらえるような会話をするために、2つの脳を動かしているような感覚でお話しています。
F M石川の番組でも、アーティストの福山雅治さんのラジオ番組は大人気です。福山さんはすごくラジオが好きで、この仕事をしているなと感じます。
福山さんは、夜すごくさみしい時にラジオを聴いていたら、「誰かがそばにいてくれる」「自分はひとりじゃないんだ」と感じた経験があって、自分でもそういう空間を作りたいという気持ちで、ラジオの仕事をしているそうです。私も同じ気持ちでラジオの仕事をしています。
 すごく尊敬している先輩にお聞きしたことなのですが、「インタビューで大事なことは、相手をプロデュースしながら自分をプロデュースしなければならない」ということでした。
 大御所の方にインタビューすることがあるのですが、人生経験が豊富で、自分の言葉を持っていらっしゃるので、インタビューが下手であっても必ず良い話になります。ですから相手に緊張するというよりも、失礼がないようにとか、自分が間違った質問しないだろうかなど、自分がうまくできるだろうかという緊張感があります。インタビューにおいて「自分をプロデュースする」とは、こういうことなのかと思いました。
 夜10時から、スクール・オブ・ロックという高校生向けの番組があります。内容は、思春期の恋愛のことなどもありますが、イジメや登校拒否の問題などにも真剣に向き合っている番組です。全国の学生が心の支えにしているという声も多くあります。学生の方たちには是非聴いてほしいです。
 私は、月曜日から木曜日の13:30~15:50に放送している「ciao!」という番組の月曜日担当なので、是非聴いてみてください。