話尽山雲海月情

話尽山雲海月情

第2610地区石川第1分区B ガバナー補佐師
吉井 清 氏(金沢北RC会員)

 私は、ガバナー補佐としてガバナーの考えていることを良く理解しながら皆さんとガバナーの伝達役としての役割を果たすべく、勉強しているところであります。
 ロータリーについて、ふと考えるとき「石門心学」や多くの有名な弟子を育てたことで知られる石田梅岩という江戸時代中期の倫理学者が、『二重の利を取り、甘き毒を喰い、自死することの多かるべし』等戒めている言葉があります。ロータリーの出発点においてポール・ハリスが同様のことを憂い、ロータリーを発案したことを私たちは教わっていますが、日本でも既に江戸中期に弟子を育て、学説として確立される等、同様の素地があったことに気付かされました。
 私たちはロータリーの理念について翻訳を通じて捉えていますが、ときにその翻訳に違和感を覚えることがあります。小林会長が例会で用いられる論語も孔子が発した東洋の哲学でありますが、私たち日本人にもその考え方がすり込まれDNAになっているはずであり、この東洋の知恵が翻訳の行間を埋めることに役立つと思います。
 RIのジャーム会長は「人類に奉仕するロータリー」と提唱し、ポリオ撲滅に力を注いだ方です。日本でポリオとは小児麻痺のほうが理解が早いようです。私は建築を生業としていますが、1971年にインドに3年程仕事で派遣された際、インド国内でも大きな駅であるハウラ駅のホームで、ポリオで下肢を患った方が物乞いをしているのを多く見かけました。最近殆ど見かけないようですが、これは30年ものポリオ撲滅に向けたロータリアンの力の結集によるところが大きいと思います。WHOによるとポリオ根絶に「2年間発症例ゼロ」が必要で、もう少し詰めが必要なところであります。
 岡部ガバナーは「人類に奉仕するロータリー」の提唱の具現化のひとつとして、出発点は「語り合おう」であると発案されました。まず石川第一分区A・Bの会長さん達と「語り合い」、それぞれのRCからエキスパートを出し合い、知恵を出し合うことで準備を進め、来年の3月26日(日)に「語り合う」交流の機会を設けることになりました。是非ご参加と「何を語り合うか」アイデアをいただければ、と思います。
 今回のタイトル「かたりつくす さんうんかいげつのじょう」は、臨済禅の書の碧巌録(へきがんろく)から引用しました。私たちの話し合いも表面をなぞるのではなく、もっと心を開いて語り合い、語り合いの中から自分磨きをし、語り合いの中から得たヒントでまた次の知恵を考え、人類平和の理念に近づいていこうということです。