薬局のうら事情

薬局のうら事情

(有)とくひさ 代表取締役社長 徳久 宏子 氏(金沢西RC会員)

 徳久氏はご自身の薬局経営について、お薬手帳、処方箋、お薬の種類、利益に至るまで、誰も知らない薬局事情を興味深く話された。
 お薬の種類は錠剤、粉薬、漢方薬、塗り薬、目薬、貼り薬、注射薬などたくさんありますが、私の経営している3店舗の薬局では1,200種類から1,500種類が常備されています。金額にして1,000万円くらいになりますので、厳重なセキュリティを施しています。
 困った患者さんは数日経ってからお薬がないと言ってきます。必ず渡したのにもらってないと言い張ります。結局、冷蔵庫に入っていたとかタクシーの運転手さんに届けてもらったということになります。
 新しくお薬を仕入れるとなると、たいてい100錠単位ですから1錠100円のお薬を100錠仕入れると1万円ですね。これに消費税がかかります。ところが1回の処方で42錠使ったら58錠余ります。あまり使われない薬だと5,800円の在庫になり、5,800円の赤字ということです。遅い時間に注文の薬が来てスタッフは帰りが午後9時になり、悲しい顔をしますが、残業代が発生する私はもっと悲しいです(笑い)。
 悪いことばかりでなくよいこともたくさんあります。保険診療なので取りっぱぐれがないのもその一つです。私たちは毎日、小さい感謝をもらっています。たくさんの人にお会いして「ありがとう」と言われて喜ぶ顔が見られるのも非常に幸せで、生涯、薬剤師でありたいと思っています。