自動車事故について

自動車事故について

(株)プロ保険 代表取締役 中川 修一 氏(金沢西RC会員)

 事故については、人身事故と物損事故があります。人身事故の場合には、治療費をお支払いし、また休業損害、慰謝料、交通費などの雑費が支払いの対象になります。物損については、相手の修理代、休業損害があります。例えばタクシーですと、いまの相場は1日8千円くらいの補償になり、営業車ですとトン当たり2千円の補償になっていますので、10トン車ですと1日当たり2万円の補償をしなければならないことになっています。
死亡事故を起こした場合ですが、ライプニッツ係数というものを使います。例えば40歳で年収500万円の方が亡くなられた場合、最終就業年齢が67歳となっていますので、27年間の補償を考えます。このケースですと、だいたいライプニッツ15くらいの数値になります。あとはご本人が主たる収入者かどうかとか、精神的慰謝料なども加味して概ねの数字が決まります。大体この場合ですと6千万~8千万円の補償という計算になります。
死亡しなくて後遺症が残るような事故の場合を考えてみます。先述しました死亡の場合には、本人の生活費が35%くらいになるのですがこれは加味されていません。また、後遺症の場合には、重度のものであれば介護が必要になりますので、死亡の場合に比べて3~4倍になる場合も出てきます。
事故において一方的な事故というのは極めて少ないのが実際です。信号無視、完全にセンターラインをオーバーした時の事故、追突事故、この3つが一方的な事故になり、その他については何らかの過失が発生します。
事故のおける過失割合の例を見てみます。直進車優先というルールがあります。直進車と右折車が交差点で事故を起こした場合、過失割合は20:80になります。右折車の修理代が100万円とした場合、直進車は20%の過失がありますので、20万円をお支払するのです。残りの80万円については右折車の車両保険を使ったりしますが、車両保険に入っていない場合には自己負担になるので注意が必要です。
道路の幅員が同じ道路における交通事故の場合、左側の車が優先になります。大体の場合において、左側にいた車と右側にいた車では40:60になり、10%のハンディが発生します。左側優先ということは覚えておいた方がいいと思います。
事故はいろいろな状況によっても過失割合が変わります。事故の形態、道路の状況、夜間かどうか、幹線道路の事故か、歩行者の場合は飛び出し、相手が子供や高齢者の場合、スピード、飲酒、整備不良などがあります。スピードについては、15キロ以上オーバーしていると10%の過失が加味され、30キロをオーバーしますと20%の過失が加味されます。
事故があった場合には、自分の判断で処理してしまうと、思った以上に不利になったり、相手に迷惑をかける場合も多く見られます。直ちに保険会社や代理店に連絡して頂いて、十分打合せの上で動いて頂くと安心かと思います。