笑顔のチカラ

笑顔のチカラ

office YOKOTA キャスター 横田 幸子 氏

 金沢にゆかりのある著名人や企業・行政のトップにインタビューをさせていただいて感じることは、魅力的な方や人望のある社長に共通するのは「笑顔」が素晴らしいことです。テレビで拝見した宇宙飛行士古川聡さんもずっと変わらない笑顔でお話をされていました。そのやさしいお顔を見ているうちに涙が出てきました。私が20代のころ、辛い精神状態のとき、奈良中宮寺の弥勒菩薩半跏思惟像の笑顔を一目見たときも涙が噴き出してきました。
ある鉄鋼関連の企業を訪問したとき、従業員が皆笑顔で挨拶してくれました。この工場では、毎日の朝礼で経営幹部も含めて笑顔の挨拶訓練を実行していました。「笑顔」がポジティブな心を作ります。ネガティブなときにこそ笑うことで心がポジティブになり、行動もポジティブになります。困難なときこそリーダーは笑顔を絶やしてはいけない、リーダーが困った顔をしていると組織も沈滞する、いつも笑顔でいるのはリーダーの責務だとお聞きし、私はとても感動しました。
笑顔に似た表情を作るとドパミン系の神経活動に変化が生じることが発見されました。ドパミンとは脳の快楽に関係した神経伝達物質です。楽しいから笑顔を作るというより、笑顔を作るから楽しいという逆因果が私たちの脳にあることが分かりました。笑うことによって体が活性化されて、免疫力がアップし、自己治癒力が向上します。笑いは腹式呼吸による効果も期待できます。腹式呼吸は副交感神経の働きを助けて自律神経を整えます。笑うと横隔膜を鍛えて、肺の強化にもつながります。