金沢中日文化センター 事務長 室石 和夫 氏
当クラブOBの室石氏が月例の講演会の中で印象に残った3つのケースについて話された。
キングジムというファイルの専門メーカーが30年前、電子文具の新市場を開拓した話に続いて、2番目は米CNNテレビで「7分間の奇跡」として絶賛された新幹線清掃チームの話。JR東日本テクノハートTESSEIの元専務取締役・矢部輝夫さんが改革を成し遂げた。
東京駅新幹線の停車時間は12分間。乗降が5分間なので、残り7分間でいかに掃除をするか。座席のテーブルはたたんだままだと汚れが分からない。そこで全部開いて掃除をやってのけた。ものすごいスピードの動作をホームの乗客が「すごい」という思いで見ている。そこにあるのは、おばちゃんたちの「誇りや生きがい、感動に裏打ちされた現場力」に他ならない。
最後は東北電力常務取締役・渡部孝男氏（元女川原子力発電所所長）。これは13メートルの大津波が来ても福島第一原発と違って、「助かった原発」の話である。昔、金沢で言えば卯辰山くらいの内陸にある神社の近くまで津波が押し寄せた言い伝えがあり、高さ14.8メートルの敷地に原子炉を作った。地震で1メートル地盤沈下したが、13．8メートルで大津波を防げたのも地元のことをよく知っていたからです、と自らの視点も加え、感銘を与える卓話となった。