知って得するくすりの話

知って得するくすりの話

株式会社スパーテル 代表取締役 橋本 昌子 氏(金沢西RC会員)

 薬には、医師によって処方される「医療用医薬品」と医師の処方せんなしで、薬局や薬店などで買える「一般用医薬品」の2種類があります。医療用医薬品は、名前や飲み方といった情報が書かれている袋(薬袋)に入っていますが、この袋が大切で、いつ処方されたかが分かるため、薬はこの袋に入れて保管しておいてください。
 一般用医薬品は、薬事法により副作用が発生するなどのリスクの高い順に、第一類から第三類医薬品の3種類に分かれています。リスクが一番高い第一類医薬品は、薬剤師しか販売することができません。
 口から飲んだ薬は、胃で溶け、そのまま小腸にいき小腸から薬の成分が吸収され、血管に入り全身を巡り、自分の悪いところにいって効きます。血液に溶けている薬の濃度のことを「血中濃度」といいますが、薬の効き目は「体の中の薬の量」で決まり、血中濃度によって薬の効き目の現れ方が決まります。薬を飲むと薬の血中濃度が上がり、時間が経つにつれ代謝され血中濃度が下がってくるため、効き目が現れる範囲の中で、薬を服用することが大切です。1日3回服用する薬を昼飲み忘れたからといって夜に2回分飲むと、血中濃度が高くなりすぎ、副作用を起こす危険があるため、1回に決められた量より多く飲んではいけません。また、胃の内容物によって薬の吸収が変化したり、空腹時に飲むと胃に負担がかかったりと、飲み方にはそれぞれ意味がありますので、注意が必要です。そして薬には副作用がありますが、副作用が起こる原因には、薬の元の性質、薬を正しく使用しなかった、自分の体質・体調、薬と飲食物もしくは薬と薬の相互作用と大きく5つに分かれ、この原因を知れば怖くなくなります。薬を服用した時に大切なのは、薬を服用した後の自分の体調をよく観察することです。
 最近では、先発医薬品の特許切れ後に販売されるジェネリック医薬品と呼ばれている薬がありますが、有効成分の含量は先発医薬品と同じで、研究開発費がほとんどかからないため価格も安く、医療費を削減することができます。
 このように薬には種類や飲み方、副作用といった問題があるので、是非「かかりつけの薬局」を決めることをおすすめします。