留学のススメ―かわいい子には旅をさせろ

留学のススメ―かわいい子には旅をさせろ

菱機工業(株)代表取締役社長 北川 雅一朗 氏(金沢RC会員)

 10年前に比べて海外への留学生が3割減っているという記事が出ていましたが、当地区でも高校生長期交換留学10名の枠に対して7名しか応募がありませんでした。特に米国への派遣枠は韓国、インド、タイと取り合いになってしまっており、一旦減らすと取り戻せなくなってしまうのです。
交換留学プログラムについて説明しますと、1.高校生の1年間の長期派遣、2.大学生のベルギーへの1ヶ月間の短期派遣、3.高校生のアメリカ・シアトルへの1ヶ月間の短期派遣があります。
長期交換は1929年に始まって80カ国、累計で7000人、当地区では1969年開始で800名の実績があります。当地区では毎年8~10名の派遣・受け入れがあります。西クラブさんは派遣受け入れとも20数名で、地区4位の実績です。
ベルギーとの交換は地区独自の施策で、30 年以上にわたり11回実施してきました。3年周期で1年目は受け入れで今年実施、2年目は派遣、3年目は休止となっています。
さて、派遣のメリットですが、英語力、自立心、積極性、社交性が身につくといいますが、それよりも長期的な人生効果が大きいと思います。私はアメリカの大学院に留学し、大手シンクタンクに就職、外資系コンサルタント会社に転職して金沢に帰ってきましたが、高校時代の交換留学体験が人生の進路に大きな影響を与えたと思っています。この効果は男子のほうが大きく、別人になって帰ってきたという親御さんが多いです。
派遣の実際についてお話しすると、留学前半は苦労の連続です。最初は会話の5~10%しか聞き取れません。学校やホスト家庭に溶け込むのが大変で、2~3ヶ月目には6割がホームシックにかかります。話が聞き取れるようになるのは「英語脳」ができてくる約6ヶ月目、不自由なく話せるようになるのは8~10ヶ月、最後の2ヶ月は楽しくてしょうがなく、日本に帰りたくない気持ちになります。
派遣させるには子供の説得が必要です。行きたくない理由のトップは「留学により学年がずれることで今の友達と別れたくない」ですが、それはデメリットばかり思いつくからです。だから、世代の近い帰国学生に楽しかった体験談をしてもらうことが有用です。帰国すると友達が倍になり、受験にも有利です。英語は勉強しなくてもできるほか、留学で脳をフル回転するせいか、ランク上の大学に入学できる場合が多いのです。
当地区では、ロータリアンの子弟を優先しています。是非、留学をお勧めください。