生産設備のロボット

生産設備のロボット

(株)テクノドライブ 代表取締役 高橋 功 氏(金沢西RC会員)

 私の会社の株式会社テクノドライブは設備機械の設計製作を主な業務としており、今日は、設備機械に関するロボットの話をさせていただきます。
 アニメーションの世界では鉄腕アトム、ドラえもん、鉄人28号、マジンガーZ、ガンダムなどのロボットが登場していますが、最近は現実の世界でも人型のロボットが登場するようになって空想の世界が現実になりつつあります。
 実用化されているロボットとして馴染みのあるものとしては、ドローンや原発事故処理のロボット、パワースーツ、ソフトバンクのペッパー君、siri、ルンバなどのお掃除ロボット、人間のように走ることのできるホンダのアシモ等があります。また、軍が採用しているものとして、どんな悪路でも重い荷物を運べる犬型や馬型のロボットがあります。その他、インターネットで検索すると、人間の容姿と動き方に似せたロボット、ジャイロセンサーや重力センサーの小型化によって人間のような姿勢制御ができる小型のロボット、スマホでプログラムを組み、画像認識でルービックキューブを完成させるロボ、人が近づくと人物を認識してタッチするロボットの画像などが見つかったので紹介します。
 次に工場で使われる設備機械のロボットのお話をします。
 設備機械には検査、加工、組み立て、搬送、梱包など様々な用途の工業用ロボットがあり、活躍しています。ロボットの役割は、省力化、省人化、能力向上、生産性向上、精度向上(繰り返し)、品質の向上と安定、人間の不可能領域での活動などがあり、複雑かつ繊細な動きのできるロボットは設備機械に不可欠のものとなっています。ただ、ロボットはメンテナンスが不可欠であり、途中でとまると自力では元に戻せないなどの難点もあります。
 産業用ロボットの種類は用途により様々であり、直交型、パラレルリンク型、水平多関節型、垂直関節型などがありますが、現在使われているものは直行型と垂直関節型が多いと思います。
 世界で使われている産業用ロボットのうち、およそ6割程度は日本で生産されており、日本はロボット大国と言っていいと思います。
 日本では少子高齢化により労働人口の減少が進んでいますが、人工知能やロボットにより多くの労働が代替可能だと言われており、日本やアメリカではスーパーのレジ打ちや行政の事務作業など頭脳労働を伴わない単純作業を中心として約半分くらいの仕事が代替可能でないかと言われています。一方、デザイナーやフードコーディネーター等の感性を要求される仕事は機械による代替が難しいと言われています。
 これからロボットの技術がますます進歩し、人間とロボットが共存する社会になると思います。ロボットは人間を単純作業から解放し、人間は創造力が必要な分野へ集中していくのではないかと思います。また、少子高齢が進んで労働人口が減少してもロボットにより製造業の空洞化を防ぐことも期待できますし、人間を危険な作業や重労働から解放し、安全な社会を構築していくことにも役立つと思います。