現代人は元気で長生きできるか?

現代人は元気で長生きできるか?

金沢学院大学 スポーツ健康学部教授 医学博士 平下 政美 氏

 赤ちゃんを産むお母さん、介護をやる人、全部が健全でないと日本は明るくならない。日本女性の母体は先進国で脳障害など奇形を生む率が一番高い。栄養的な背景が大きく、青いもの、葉酸を食べていないのが原因です。
子供は幼稚園に預け、自分は働くだけ。子供というのはお母さんから、かわいがられる量によってプラス思考になるか、マイナス思考になるかが決まります。だから幼児教育が大変重要になってきます。
 幼児の目から入った情報は脳をめぐります。お絵かきしましょうという材料を与えると、楽しそうだというイメージがわき、次に楽しかったという情報が統合されて前頭連合野にいきます。興味があるのか、いやなのか、危険なのかどうかを認知します。最後まで徹底的に完成させるまでやり、感動を植えつける教育をしないといけない。
 子供の脳と大人の脳は全然違っていて、子供はいい回路を作る。幼児教育というのは大人の脳に渡すまで、いろんなことを楽しく体験させて空間認知能を高めることです。
 遊びの基本は歩行数を見ればよく分かります。石川県のウオーキング協会と共同でまとめたデータによると、石川県の小さい子供は1日6,000歩ちょっと、男子で7,800歩です。これが多いか、少ないか。ボール投げでは1975年に4歳児は8メートルちょっと投げましたが、今は4メートルちょっとと半分しか投げられない。姿勢が悪いからです。12,000歩を歩かないと健康でないという専門家の指摘もあります。石川県の子供はこんな状態なのです。子供たちが35度台の低体温だと免疫力を低下させる。ちゃんと運動させて基礎体温を上げないとアレルギーにも対処できない。
 現代人の基礎体温の低下も大きな問題です。37度で私たちの人体3,000種の酵素が活性化します。体温が低いと酵素の働きが悪いから何か仕事をしようとしても意欲が出ない。エネルギーの取り出しが悪いから疲れる、だるい、重い、状況になる。日常から酵素を活発にするためにも基礎体温を老若男女、上げておくことが必要なのです。