未来に向かって

未来に向かって

金沢大学名誉教授 工学博士 廣瀬 幸雄 氏

 私は10年前に金沢大学を定年退職しまして、自分がやりたかったことを4年前に始めました。それがビジネスであります。今日はビジネスについて4年間やってきたことを踏まえてお話しします。
 まず、ビジネスは難しい。どんなにネタがよくても「売れない」とダメということです。私はイグ・ノーベル賞を受賞しました。そのおかげでいろいろな企業の顧問に就任し顧問料をもらいましたが、その顧問料はすべて今のビジネスに投資しました。去年の8月頃からやっと軌道に乗り始めました。それはなぜかというと私はいろいろなものを作り、特許もとったのですが、人任せだと報酬も少ないため、トップセールスをするようになり商品を自ら売り込むようになったからです。コーヒーに関しては、水素焙煎コーヒーを開発しました。そのコーヒーを2年前にビジネス化しました。水素を扱うので危険なため誰も真似できない方法です。ネタはずっと「only one」でないとだめだと思います。金沢大学の授業に、私が始めたコーヒー学という授業があるのですが、去年の10月に新聞にその授業とともに、水素焙煎コーヒーの紹介をされてからすごく反響がありました。水素焙煎コーヒーは、豆の酸化を防ぎ健康に効果があるとして健康食品として売り出しています。
 ところでみなさんは、「セレンディピティ」という言葉をご存知ですか。求めずして思わぬ発見をする、あるいは思いがけないものを発見する。運良く発見するという意味です。私もセレンディピティからいろいろな物を作りました。まだビジネス化はしてないのですが、例えば①腐りにくいミルクからポーションの開発、②太陽光線と同じ波長のレーザー光線と水蒸気を利用して安価で大量の水素ガスを生成、③②と同じレーザー光線で鶏足を燃やした後にできるカスと水と反応させて大量の水素を発生させる、④もみ殻を1μ以下の粉にして飲むと関節の痛みに効き、また便秘症にも良い、という物です。いずれも、成功すれば大きなビジネスチャンスになるような物です。
 ビジネスについては、コーヒー、最近開発した山中温泉石の水素発生石が売れ始め、トンネルの出口が見え始めたがそれに胡坐をかいていてもだめなので、心得として、ビジネスを通して世の為、人の為に社会に貢献し、自助努力を怠らず、誠心誠意お客様に尽くしていきたいと思います。