日本の心を伝える、哀愁胡弓

日本の心を伝える、哀愁胡弓

胡弓奏者 倉本 由美子氏

 本日は、日本の心を伝えるという事で胡弓の音色をお聴き頂きたいと思います。
 胡弓は富山県のおわら風の盆で演奏される「越中おわら節」の伴奏楽器として使われています。おわら節は踊りがメインであり、三味線、歌、太鼓があって胡弓がついていくといった裏方的で哀愁のある楽器ですが、胡弓の悲しげなむせぶような響きを加えることで、この民謡に独特の味わいをもたらしています。
 よく質問のある二胡との違いですが、胡弓は、日本の伝統的な擦弦楽器で、三味線を半分位にしたかわいい楽器です。素材は棹に紅木、紫檀、花梨が使われ、胴は花梨、皮は猫や犬、弦は絹糸が張られています。弓の毛は馬のしっぽが使われています。
 二胡は、中国の伝統的な擦弦楽器で、胴体は丸い筒状でニシキヘビの皮で覆われていて2本の弦を間に挟んだ弓で弾きます。
 普段は胡弓のソロ演奏をすることは少ないです。胡弓は主旋律を演奏していくので胡弓だけでやるのは歌手の方が伴奏なしで唄うようなものなので、和楽器(琴、三味線)とのアンサンブルやギター伴奏、ピアノ伴奏といっしょに演奏しています。
 来年春には、北陸新幹線が開業します。私達も石川県をPRする曲、能登麦屋節・山中節・白峰かんこ等を和楽器のアンサンブルでレコーディングしています。
 多くの若い人があまり知らない文部省唱歌、童謡である荒城の月・宵待草・ふるさと等の日本の叙情歌を歌詞の意味も含めて、楽器を通して皆さんに届けていきたいと思っています。
  越中おわら節
  五木の子守唄
  荒城の月
  宵待草
  ふるさと
本日は胡弓ソロで、5曲を演奏して頂きました。