心臓が悪い!?だったら運動しましょう

心臓が悪い!?だったら運動しましょう

やわたメディカルセンター 副院長
北陸体力科学研究所 理事 勝木 達夫氏

 心臓病で一番有名なのは天皇陛下だと思いますが、昨年の2月に心臓バイパス手術を受け、3日後に心臓リハビリテーションが始まりました。
 5月にはイギリスに行かれ、無事に帰ってこられて執刀医は手術が成功したといいました。手術室から出てきたときでなく、いままでの生活が取り戻されて初めて成功したことになります。陛下の体力は術前より5割も上がったということです。
 バイパス手術は血管が詰まっている先のところに血管をつないで、その先に血が流れるようにするわけですが、カテーテルという管を用いて風船で血管を広げたり、金属でできたチューブ状のもので血管を広げるステント治療があります。
 運動すると血圧は上が11、下が6下がります。日本人で高血圧は3,000万人いるといわれていますが、よく使われている高血圧の薬は1個150円しますので、毎日飲みますと年に54,750円かかります。3,000万人が飲むと1兆6,000億円が薬だけでかかっているわけです。せっせと歩き血圧を下げ、この薬1個いらなく なるだけで1兆6,000億円の国家予算が浮きます。11と6下がると脳梗塞が4割減り、心臓発作が2割減ります。そうすると、その医療費もいらなくなります。
 肥満があって、やせたいというのであれば1日で合わせて45分くらい運動しないと、なかなかやせてくれません。分離可能で、15分3回でも結構です。階段もエレベーターに乗らず1階から3階まで歩くとか、職場をパトロールで歩いたり、15分だけでも体を動かすと 寿命が3年延びるといわれています。具体的な目標を持ってやる。1,000歩余分に歩くとか、10分間、体をよく動かす。楽しく、自分がやったことを褒める。そういう精神で運動に取り組んでいただければと思います。
 「四つのテスト」に振り替えてみますと、心臓リハビリテーションは
1.真実かどうか
 多くのエビデンス(臨床結果などの科学的根拠。その治療法がよいとされる証拠)に支えられるものである。
2.みんなに公平か。
 対象疾患であれば保険適用です。
3.好意と友情を深めるか。
 みんなで運動しますから、みんな仲良くなる。
4.みんなのためになるかどうか。
 再発予防で国民医療費を大きく減らすことが出来る。
 ということで、ロータリーにまさしくふさわしいことだと思っています。