地域政党は日本を救う

地域政党は日本を救う

金沢市議会議員 高岩 勝人 氏(金沢東RC会員)

 なかなか政治不信が止まらない。われわれ政治家に問題があると思う。2年前にメドベージェフ大統領が北方領土の国後島に降り立った。日本政府は公式に抗議はしていない。日本は領土問題に甘いということを発信してしまった。今議会で自民党は、中国による水源の山間地買い占めを阻止するよう意見書を出す。(政府は)そういうことをキッチリとメッセージとして伝えていない。
1977年に日航機が日本赤軍にハイジャックされ、バングラデシュのダッカに強行着陸した事件があった。このとき、当時の福田赳夫首相は「命は地球より重い」とテロに屈したとして世界から非難を受けた。直後に西ドイツの飛行機がハイジャックされソマリアに着陸させられる事件があった。西ドイツが即座に特殊部隊を送り込んでテロに屈しなかったことと比較された。
ただ、これはやむを得ない事情があった。憲法上、日本は国外で武力行使ができなかった。僕は憲法を改正しなければならないと思っているし、むしろ自主憲法を制定しなければならない時期にきていると思っている。戦後、アメリカは憲法を6回改正(修正・追補)しているし、フランスは27回、イタリアは15回、ドイツにいたっては58回も改正している。
同じ77年に石川県の宇出津で久米裕(ゆたか)さんが拉致された。そのときに日本の警察は主犯の男を捕まえた。ところが、その後帰しちゃった。北朝鮮は「捕まえても帰してくれるんや」と思っただろう。その2カ月後に横田めぐみさんが拉致されてしまった。あの77年に憲法を改正し、テロに対する毅然とした日本の姿勢を示していれば、めぐみさんは拉致されなかったかもしれない。
その体制はこの間の尖閣でも現れた。漁船とされる船が海上保安庁の船に突っ込んできた。日本がいったん逮捕した船員を帰したことは、世界から笑いものになったと聞いた。
国会議員は国会で何も言わない。そこで地域政党。橋下徹さんの「大阪維新の会」、河村たかしさんの「減税日本」、村山祥栄君(京都市議)は「京都党」をやっている。金沢市でも、私が代表を務めている超党派の「20年後の金沢を考える会」というのがある。イデオロギーの対立は国会でやってもらって、地方は同じ課題をみんなで解決すべきという考え方からできている。
しかし、地方から歴史が動くことは過去、なかったという。大事なのは中央の権限を強くしなければならないことだと思っている。特に、外交、防衛、安保、マクロ経済は中央でしっかりやってもらう。単に、道州制ではなく、中央政府を今以上に強固にし、国民に関わることは地方に回すべきと訴えている。