国旗と国歌②

国旗と国歌②

(有)イーエルエル 代表取締役 丸井 洋 氏(金沢西RC会員)

 君が代の原歌は古今和歌集の一句で、世界で最も古い歌詞だと考えていいと思います。君が代はもともとイギリス人が作曲しましたが、日本人はこれに馴染めず、1880年に宮内省雅楽課の奥好義がつけた旋律を林廣守が曲に起こし、ドイツ人のフランツ・エッケルトが和声をつけたのが今の曲とされています。君が代は第二次大戦後GHQにより一時禁止されました。解禁後は君が代に代わる国民歌をという動きがありましたが、いずれも定着しませんでした。教育現場における国旗国歌の問題は憲法19条に違反しないとの最高裁判決により決着しております。
 アメリカの国旗は州が増えるたびに星が増えました。白は純粋、赤は逞しさ、青は戒心を表しています。アメリカの国歌は国旗を称える歌詞にイギリスの大衆歌謡の曲をあてたものです。3番までありますが、歌うのは1番だけです。
 イギリスの国旗はイングランドの国旗にスコットランド、さらに北アイルランドの国旗を重ねたものです。イギリスの国歌は16世紀頃から旋律があり、作詞作曲者は諸説あります。戦闘的な内容の歌詞です。
 フランスの国旗は通称トリコロールと呼ばれる三色旗です。青=自由、白=平等、赤=博愛というのは俗説です。フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」はマルセイユの義勇兵が歌って広めたことからこの名があります。歌詞はフランス革命をベースにしたものです。  ドイツの国旗は上から黒・赤・金(黄色ではない)です。黒=勤勉、赤=情熱、金=名誉とされていますが、諸説あります。国歌はオーストリアのハイドンが作曲したものです。ナチス時代は1番のみを歌っていました。
 中国の国旗は赤地に5つの黄色い五芒星を配した五星紅旗です。赤=革命、黄=光明、大星=中国共産党の指導力、小星=労働者等を表しています。中国の国歌はもともと抗日プロパガンダ映画の主題歌で、のちに毛沢東や中国共産党を讃える内容の歌詞に代わった時期もありました。歌詞は戦闘的な内容です。
 韓国の国旗は大極旗とよばれ、中央の赤青の陰陽で万物の根源を表します。四隅は天・地・水・火を象徴しています。韓国の国歌の曲は1948年までは蛍の光でした。作詞者は不明です。
 2回の卓話で私が言いたかったことは、世界のなかでも日本の国旗・国歌は歴史もあり、美しく、もっと自信を持って良いということです。