北陸鉄道グループのLinkについて

北陸鉄道グループのLinkについて

北陸鉄道株式会社 相談役 魚住 隆彰 氏

 先月の総会で取締役の任期が終わり、ほっとしています。運輸事業というのは、いつでも事故はあり得るという緊張感の中で仕事をしています。今は本当に気が楽になりました。
私は土木専門の技術屋でした。線路の維持、交通局の乗り入れ、ロングレール導入の仕事や、施設の計画にも携わりました。名鉄時代には、日本の成長時期にありましたので、いろんなプロジェクトに関わりました。中部国際空港への名鉄の線路の乗り入れや、2005年の愛知万博に合わせての空港をつなぐ輸送機関をつくることにも関わりました。
「我々バス事業者の使命とは何か」、これは私のテーマでした。単に人を運ぶというだけでは、何か足りないのではないか。交通には、地域と地域を結んでいるという使命があるわけです。Linkという言葉がこれをうまく表現しているのではないかと考えています。
最新技術を駆使したおもてなし、として「ビジュアルバスロケーションシステム」「液晶モニターバス接近表示」というものを交通コミュニケーションと称して、導入しています。バスごとの行き先や経由地と接近情報を表示する「液晶モニターバス接近表示」は、お客様にも使いやすいように工夫されています。
平成5年から9年にかけて、名鉄から北鉄に出向していました。その頃はまだ金沢も大渋滞で、バスは定刻に来ない。苦情も多く、お客様もどんどん減っていました。もっとお客様にわかりやすく、使いやすいものにしなければならないとその頃から思っていました。
バスは、自分で位置情報を持っています。携帯電話のパケット通信と連動させて地図上で表示することができないかと考えました。金沢駅東口、兼六園下、石引などで「ビジュアルバスロケーションシステム」として導入しました。新幹線が来るまでにはもう少し増やしていきたいと思っています。観光者にとって、もっとバスをわかりやすくしていこうと考えています。
社長になった時、いろんな事故や不祥事がありました。過去に土木の現場では様々なトラブルを経験しましたが、二度と起こさないための仕組みづくりや教育を徹底していました。それをバスにも活用し、再発防止の徹底と、過去の事故事例を「安全の道標」という冊子にまとめ、教材として活用しています。
事故を起こした時には、「安全への誓い」というカードに大切な人の写真を貼らせ、その隣に自分の誓いをたてさせ、常に携帯させています。その効果か、最近大きな事故はありません。
武蔵ヶ辻は、金沢らしい場所です。金沢スカイホテルのホールを活用し、学会をもっとやって頂こうという取組みを行っています。金沢らしいところで、すべて用事がすませられるという点では最も適切な場所になると思います。このように連携をしながら、いろんな取組みをしています。