企業ビジョン実現に向けた組織づくりの考え方と進め方

企業ビジョン実現に向けた組織づくりの考え方と進め方

二口経営労務マネジメントオフィス 代表 社会保険労務士
二口 寛 氏

 今回は、経営者の社長のお悩みの声を元に話します。
1.『考えて行動する幹部社員が少ない。言えば、やるんだけど。』
 組織の構成は、2:6:2の法則があります。2割は自分でする人、6割は言えばやる人、2割は言ってもやらない人。6割の人は、何度も言い続けると、自ら行動するようになります。
2.『研修に行っても、その時だけの意識向上で、現場業務に活かされない。』
 人が育っていく要素は、7:2:1の法則があります。7割は仕事上の経験、2割はその人に影響を及ぼす上司による、1割は研修で成長する。問題提示(人間、業務、当面、将来)し、社員が自ら考えて、行動を起こすきっかけ作りを何度も行います。経験を積むと社員は、成長します。
 ガソリンスタンド経営の例で話します。
 社長は、各店長に人材育成や売上向上の為の新規開拓をして欲しいが、店長は、現場仕事しか出来ていませんでした。店長に改善点を聞くと、「社員が一人でお客様の車検の見積をして、作業もしてくれたら店長業務が出来る。」と意見が出ました。「4か月で出来るようにする方法は?」と尋ねると、店長は「マニュアルを作る。社員達の車で車検の見積練習をする。」と自分の考えを出しました。毎月の店長会議で、上手く行った事も、いかなかったことも、発言し、みんなで共有していきました。このようにして、計画、行動、改善、検証を集まって毎月店長会議で検討しあい、継続し続けて、店長達が、少しずつ変化しました。
3.『やろうと決めたことが、長続きしせずに、いつの間にか立ち消えている。』
 『人間活動』5大要素があります。人は元々こんな能力を持っています。これを自然に引き出す場があれば、組織は活性化します。 人は、対話をすると共働作業が加速する。人は、頑張っている仲間を応援したいと思い、自分もがんばろう!と刺激を受ける。人は、組織・チームの中で、「役割を果たしたい」「貢献したい」と思う。人は、どうすれば良い?問いかけをされると、答えを探そうとする。人は、自分達で決めたことは、自分達で行動しようとする。このような場を引き出していくと活性化されます。
4. 『企業ビジョンや価値観を社員に発信しても、なかなか伝わらない。』
5. 『業務拡大を優先にしてきたが、人材育成したい。』