ブライダル業界の現況

ブライダル業界の現況

(株)ノバレーゼ 金沢地区ゼネラルマネジャー 小松 洋介 氏

 現在の日本の婚姻件数と平均初婚年齢の推移の情勢から少子高齢化で結婚式業界が大丈夫なのかという声をよく聞きます。確かに婚姻届出件数はどんどん減っており、2015年の時点では日本全体で約63万5,000組となっています。また、晩婚化が進んでおり、平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳で1990年と比較するとそれぞれ3歳程度上がっております。
 ただし、挙式、披露宴平均単価は高い水準を維持しており、東日本大震災以降はむしろ年々上昇しています。出席者数は平均72名程度で概ね横ばいですが平均単価は上がってきており、2015年の平均額は約353万円です。
 このように婚姻届出件数が減少する中でどうやって生き残っていくかというのが我々ブライダル業界全体の課題となっています。
 ブライダル業界の市場規模は約1.4兆円ですが業界第一位の最大手でもシェアが4.2%程度であり、当社も業界で十位以内に入る規模の会社ですがシェアは1.1%程度です。このため、まだまだ新規参入し、成長する余地が十分に残されている業界と言えます。実際、当社は婚姻届出数が減少する中で業績が右肩上がりに伸びています。
 当社は設立は2000年、本社を銀座に構えております。
 現在国内に25店舗展開しており、人口30万人以上の都市を出店のターゲットにしております。今後も国内で年間3~4店舗を出店する予定です。
 通常、結婚式場はヨーロッパ調の華やかでかわいらしいデザインのものが多いのですが当社では晩婚化もあってモダンでスタイリッシュな結婚式場を展開しており、これが当社の特長になっています。
 また、近年は歴史的建造物の再生事業に積極的に取り組んでおり、当社が金沢市寺町で運営している辻家庭園もそのひとつです。
 新築で建設する結婚式場は10年、20年経つと時間の経過でどんどん価値が落ちてしまいますが歴史的建造物は逆に時間が経てば経つほど価値が上がっていきます。これにより、開店から時間が経過しても競争力を維持していくというのが当社の戦略になります。
 また、歴史的建造物の再生事業には独自のノウハウが必要であり、他社には真似ができないものですので、こうしたノウハウも当社の強みといえます。
 辻家庭園は2012年に当社代表と辻様の出会いがあり、歴史的建造物の活用についての考え方がマッチし、プロジェクトが始動して開業に至ったという経緯があります。
 当社は、今後も日本全国に歴史的建造物を利用した事業を展開し、他社にない特徴的なブライダル事業をしていきたいと思います。