フラットディスプレイの話

フラットディスプレイの話

(株)テクノドライブ 代表取締役 高橋 功 氏(金沢西RC会員)

 フラットディスプレイは、テレビ、パソコンのモニター、携帯電話、スマートフォンなどに使われています。文字や絵は点の集まりで表示されています。光の強弱や色を変化させて並べるとカラーの文字や絵が出来上がります。光の三原色(赤緑青)の組み合わせと電圧の変化により全ての色を作ることができます。
液晶は自分で光ることはできません。後ろにバックライトがついていて、白い光を出しています。それに偏光板、アレイ基板、カラーフィルターを重ね、トランジスタで光を通したり通さなかったりすることで文字を出しています。光はいろんな方向に振動していますが、偏光板によって一定方向の振動だけを通すことができます。同じ方向の偏光板を重ねると明るくなり、90度曲げて偏光板を重ねると暗くなります。液晶は細長い分子で、液体と固体の中間の性質を持っています。自由に動くこともでき、規則性もあります。
ポリシリコンはアモルファスシリコンに比べて100倍程度の電子移動速度を実現できます。より細かいトランジスタが形成でき、ガラス基板上に回路も作れるようにもなります。最近はレーザーを使ってポリシリコン化できるようになりました。この技術は今、日本が一番進んでいます。
低温ポリシリコンの技術を応用することにより、有機ELディスプレイが可能になりました。有機ELは自分で光り、電気をほとんど使いません。しかも発光セルが固体であるため、基板がガラスである必要はなく、プラスチックでも出来るだろうと言われています。これにより、コストの大幅な削減、印刷プロセスでの製造、より薄く軽いディスプレイが可能となります。将来的には、壁紙が表示器になったり、天井や壁が直接光る照明ができたり、色や表示を自由に変えられる車のボディができる可能性もあります。これからのディスプレイはおそらく有機ELになると思われます。