
石川テレビ放送(株)常務取締役 堀 勘四郎 氏(金沢みなとRC会員)
本日は、テレビのこれまでと今後についてお話したいと思います。
かつて放映されると全国のお風呂屋さんが空っぽになったと言われる、「怪傑ハリマオ」は昭和35年に日本テレビ系列で放送され、石川県では当時北陸放送だけで放映し、石川テレビが開局する前のことでした。テレビ開局前はラジオの時代で昭和25年6月までは「日本放送協会」の独占でしたがその後、朝・毎・読売各新聞をはじめ地方財界・自治体と連携した民間放送設立運動が展開されていきます。
石川では北陸放送(ラジオ)が昭和27年5月10日開局、その後、読売新聞社長の正力松太郎氏をはじめ、民間の新聞社・経済界主体でつくったラジオ局がテレビ会社の設立を進め、昭和28年2月にNHK 東京、8月に日本テレビ、昭和30年4月に東京放送、昭和33年に北陸放送含む12社開局(フジテレビ、テレビ朝日より前)と開局の時代が進んでいきます。当時のVHF 波は12チャンネルが限界で1県1局しか出来ないためJ系、N系、FNN系等全国テレビ局のネットワークが必要となっていきました。
石川テレビは昭和44年4月に開局し、この春、開局48年を迎えます。UHF波受信にはアンテナとコンバーターが必要な時代でした。その後、昭和45年から原則1県2局以上の時代となり、石川ではテレビ金沢が平成2年4月、北陸朝日が平成3年10月に開局します。
技術の進化ですが、カラー放送は昭和35年から始まり、白黒放送は昭和52年9月末で終了します。デジタル放送は石川テレビでは平成18年7月に開始され、アナログ放送は平成23年11月24日に停波しました。デジタルへ変わる際、石川テレビでは約50億円もの投資を行ない、多くの投資が必要なため全国では赤字になった地方局が増えたといわれています。
そしてデジタルは4K、8Kの時代となっていきます。4K、8Kの「K」は1000を意味していて現在のデジタルは2K と呼び、4K は縦横の画素数で2K の4倍、8K は2K の16倍となります。地上波で放送するには帯域が不足するため、BS及び110°CSでの放送となり、専用のアンテナ・チューナーが必要で2018年より実用放送となります。従来のBS 放送は右旋(右回転)の波でチャンネルが一杯になり、そのため8K 放送にはBS・CS110°でも左旋(左回転)の波を使うことになったということです。
また、若者のテレビ離れや世界規模での動画配信に対する地上波の視聴機会を増やすことを目的にNHKは2020年までに地上波をインターネットで常時同時配信するよう推進しています。