チーズの種類と味わい

チーズの種類と味わい

株式会社ためひろ 代表取締役 為廣 薫 氏

 本日は皆さまおひとりずつに6種類のナチュラルチーズをお配りしました。お配りしたチーズを使ってチーズの種類と味わいのお話をいたします。
 お皿に乗っているチーズのうち、時計周りに、四角い白いものがクリームチーズ、白カビがついているものがカマンベールチーズ、オレンジ色のものがミモレットというハードタイプのチーズ、青かびが入っているものがブルーチーズ、パンの上に乗っているものがウォッシュタイプのチーズ、最後が山羊のチーズになります。
 日本ではカビというと体に悪いと言う印象があるかもしれませんが、カマンベールチーズについているようなチーズの白カビは純粋培養で体にとてもよいものであり、アルツハイマー、風邪、がんなどの予防になると言われています。
 ハードタイプのチーズのミモレットは西洋のカラスミとも言われており、本日お持ちしたものは2年寝かせたものになります。ミモレットはオレンジ色をしていますが、これは木の樹液で着色した色です。
 ブルーチーズの青かびも白カビと同じで体にとてもよいものです。ブルーチーズはパンに生えるカビを純粋培養して作ります。
 私はロックフォールという洞窟で熟成させるチーズを作る現場で働いたことがありますが、青カビのおかげで当時はとても健康で風邪をひいたことがありませんでした。
 パンに乗っているウォッシュタイプのチーズは、ブランデーで洗っています。ナポレオンもこのチーズに似たシャンベルタンというチーズが大好きでした。
 山羊のチーズは石のような見た目をしており、味に癖があるため好き嫌いが分かれます。
 お皿の上にはチーズのほかに干しブドウが乗っていますが、干しブドウがチーズにはないビタミンCと食物繊維を補給してくれます。また、味もまろやかになります。
 チーズは前菜として出ることも多いですが、乳酸菌の働きで消化を助けるので、食事のあとに食べるといいと言われており、フランス料理の最後にチーズが出ることがあるのもこのためです。
 チーズは日持ちします。固くなったり、カビが生えても大丈夫です。日本では決まりがあるので賞味期限をつけていますが、フランスではつけません。
 チーズはおいしく食べられるうちが賞味期限であり、固くなってもすりおろして卵焼きに入れたりすれば食べられます。保存は、常温だと乳酸菌の働きで熟成が進んでしまうので、冷蔵庫で保存するといいと思います。