スポーツの力で石川に夢と感動を!~Jリーグがある街の魅力~

スポーツの力で石川に夢と感動を!~Jリーグがある街の魅力~

㈱ツエーゲン 代表取締役ゼネラルマネージャー
西川 圭史 氏

 J3初代王者になり、北陸新幹線金沢開業とともにJ2昇格という公約が果たせました。なぜツエーゲンの仕事をしているのかとよく聞かれます。私は神戸出身、妻は小松出身で、高校3年生のとき神戸が大震災で壊滅的な打撃をうけ、復興していくさまを見て、何か街づくりとか、都市の再開発の仕事がしたいと思ったのが最初です。いったん銀行に入ったのですが、ツエーゲンの話をいただき、ぜひやらせていただきたいと決心しました。
 ことし設立9年目で、亡くなられた澁谷工業の澁谷亮治様が作られた金沢サッカークラブが前身です。いま社長は米沢電機の米沢寛会長が勤め、経済界から役員、株主のほか県、市からも人を出していただいてバックアップ体制ができています。
 チーム名の由来は金沢弁で「強いんだぞ」ということと、ドイツ語の造語で「ZWEI(ツヴァイ)というのが「2」、「GEHEN」(ゲーン)が進むという意味です。「2」はチームと地域。2つが前へ進んでいこうという思いを込めたチーム名です。
 マスコットキャラクター「ゲンゾー」というのも「ツエーゲンゾ」という形で非常に子供たちに人気がありましてゲンゾーだけを見にくる子供たちも増えています。  ことしの成績は22勝6分4敗です。ホームでは1回しか負けなかったので非常に多くの人に喜んでいただけました。
 森下監督はトップチームの監督経験もあり、今年で3年目。選手とのコミュニケーションを非常によくとり、チームをまとめていただいています。キャプテンの清原選手はチーム1番の8得点を取っています。唯一の石川県出身である作田選手は、星稜高校で本田選手の一つ下で本田選手と一緒に全国ベスト4になったときもレギュラーとして活躍しました。副キャプテンの太田や辻尾、富田、田中の各選手らもそれぞれが得意技を持ち、人気を得ています。
 単にサッカーチームが強ければそれでいいというわけではありません。当然、いい成績を残すのは大前提ですが、サッカーだけでなく、いろんな人がいろんなスポーツを好きなときに、いい環境でできるスポーツ文化を広げていこうというのがJリーグの理念です。ツエーゲンもランニングクラブを持っていて子供たちに教えたり、健康づくりセミナーをやる活動もしています。
 我々が本当に力を入れているのは、こうした青少年の健全育成です。子供たちが外で元気に走り回っている社会が元気な社会の源ではないかと思いますし、幼稚園、保育所を無料で巡回して、ことしも年間50回くらいしました。その場では子供たちのものすごくはじけるような笑顔がありますので、こういった活動を上に上がっても続けていき、子供たちの教育に少しでもお役に立てればと思います。
 スタジアムを街なかに作ろうというのが流れとしてあり、ツエーゲンの野望として、まずスタジアムを持って、たくさんの人でスタジアムを真っ赤に染めてほしいという強い思いがあります。J2のクラブ運営予算は平均10億円ですが、5~6億円あればなんとかいけるかなと思います。1年で落ちずに残留するには、しっかり補強しなければなりません。ツエーゲンは予算3億円くらいでやっていますので、1.5倍か2倍にお金を増やさないといけない。ここで落ちると盛り上がった灯が消えてしまいます。しっかり定着してJ1をめざすために皆様のたくさんのご支援をいただきたく、よろしくお願いいたします。