ジェトロ金沢の活動について

ジェトロ金沢の活動について

日本貿易振興機構(ジェトロ)金沢貿易情報センター 所長 久保 敦氏

 ジェトロは経済産業省傘下の独立行政法人として、国際的な取引、貿易を行う際に役立つサービスを提供しています。日々の業務では貿易投資相談、貿易実務講座、個別の企業支援としては海外進出の支援も行っています。現状では、機械部品業2社、食品業2社、繊維業2社の海外での販路開拓支援をしています。また、海外からのバイヤーを招聘して金沢や東京、大阪にて商談会を開催し、皆様に参加していただいています。
国内市場は縮小傾向にあり、海外に出ていくほかないということもよく言われています。とりあえず行ってみようという話もありますが、とりあえず行った例を見ますとうまくいっていません。事前の情報収集を行い、周到な準備が必要です。
また、トップ本人や経営方針をよく理解している方、現地に携わる予定の方などが直接調査に関係していただくことも重要だと思っています。市場のニーズを正しく把握しなければ事業もうまくいきませんし、実際に現地を見て自分で判断するということが非常に重要なポイントです。また、実際に行きますと、即断即決が求められる場面もあるでしょう。
ニューヨークなどの大都市を除いて、ジェトロ各拠点のスタッフの人数はそう多くありません。ジェトロは、広い範囲の情報を持っていますが、一方で浅い場合があるのです。事務所によって、地域によってストックされている情報の質や量に差があります。例えばパリでは、ファッション、テキスタイル、インテリアといった分野では詳しいですが、その他の分野ではあまり情報を持っていないという場合があります。ジェトロはどちらかというと入門者向けのサービスと思っていただいた方がわかりやすいかもしれません。
「海外ミニ調査サービス」というものがあります。これから初めて海外進出したいという場合に、ある条件下にある企業を10社挙げて欲しいと依頼されれば、調査して報告するサービスです。次にその10社について絞込みを行って、3社ほどに商談をしたいと考えた場合には、皆さんに代わってアポイントメントを取る「ビジネスアポイント取得サービス」があります。これら2つのサービスを利用していただいて、海外へ行く前の準備を進めていきます。
具体的な商談へ入っていく前に現地の経済状況や産業動向を聞きたいという時には、「海外ブリーフィングサービス」というものがあります。大まかな話にはなりますが、事前に商談に入る前に基礎的知識として情報を持っておくことをお勧めしています。
これらの他には、貿易実務講座を行っています。実務家のための研修ですが、新人の方の研修として活用していただいているケースも増えています。