ガバナー公式訪問

ガバナー公式訪問

第2610地区ガバナー 中尾 哲雄 氏(富山西RC会員)

 金沢西RCは温かいクラブという印象です。「大自然の恵みと、これを作られた方々のご苦労に感謝し、いただきましょう。」という斉唱にも感動しました。もう50近くのクラブにまわっていますが、「いただきます。」というクラブはこちらを含め3つありましたが、このような生き物への感謝をすることは素晴らしいことですね。
 田中作治さんが「Peace Through Service /奉仕を通じて平和を」ということを理念に掲げておられます。それは戦争と平和という大げさなものではなく、自分たちの身の回りの家庭、友達との平和、家庭の安泰、職場の安泰や平和、地域社会の安泰や平和というに対して貢献していこうということです。そういうことがやがて積み重なって国の平和になり、世界の平和になっていくんだという大変高邁な理念を掲げておられ、私も感銘しています。
 ロータリーは、崖っぷちにあると思います。会員数は減って、出席率も低下しています。活動も非常に固定化しているんじゃないでしょうか。ですから私はチェンジしようということを掲げました。前からやってきたことを続けていくというのはロータリーの悪い癖であり、将来を危惧しています。
 RI会長に呼ばれ、1月にサンディエゴに行きました。そこで各地区のことを説明するように言われました。地区のことをよくわからなかったので電話して聞きました。2610地区は何人か聞いたところ、たまたま2,610人でした。ようやく2,658人に増えてきています。かつて3,300人いました。日本経済を振り返っても、20年前は世界のGDPの18%を占めていました。アメリカと合わせますと、世界経済の半分近くを占めていました。今日本は10%を切ろうとしています。国力も人口も低下している中で、ロータリアンが減少しているのも無理はありません。
 ロータリーは「Service above self/超我の奉仕」という高邁な理想を掲げています。世界経済が発展してきたのは競争があったからです。競争があったから技術も発展しました。しかし、そこのベースには倫理が、道徳がなければなりません。そこをロータリアンは考えていかねばならないと思っています。
 私はキーワードとして「際」という言葉を大切にしています。会社で言い続けているのは「世代の際」ですが、20代や30代、40代…と世代の交わりが少なすぎます。ロータリーはそれができますし、大きな意味があると思います。「地域際」という地域と地域の交わりも重要です。そこにロータリーの役割もあると思っています。
 ポール・ハリスも100年前に「世界は常に変化している」と言っています。「変化する世界と一緒にロータリーも変わっていかなければならないのです。
 先般、台湾に行きまして、李登輝さんとお話しました。「日本は20数年低迷しているが、経済の貿易や生産といった量は低迷してるだけであって、日本の持っている素晴らしさというものは一つも揺るいでいない。台湾経済人はいまこそ見習うべきだ。」とおっしゃっていました。非常に胸に込みあげるものがありました。
 地区大会はなぜやるのか。その目的の中に、感動的な話を聴く機会とあります。今度の2610地区の地区大会には、伊那食品工業株式会社の塚越 寛氏、熊本県知事の蒲島 郁夫氏を招いていますが、必ず満足いただけるものと思いますので、是非足を運んで下さい。