オートキャンプについて

オートキャンプについて

日本オート・キャンプ協会理事 石川県オートキャンピングクラブ会長 山本 稔氏

 キャンプといえば、山に行って飯盒でご飯を炊き、一升瓶を横に置いて大騒ぎをするというイメージを持っている方もおいでると思いますが、今のオートキャンプはまったく違います。約10m四方のサイトを借りて車を入れ、テントを張って炊事をする。さらに隣のサイトの家族らと友達になるのが、現代のキャンプです。職場の何人かで行くとかいろいろありますが、ファミリーキャンプが原則です。キャンプ場はたくさんあります。石川県だけでも鉢ケ崎とか能登島のWeランド、ちょっと小さくなりますが増穂浦のキャンプ場とか20ぐらいあります。
一番楽しみなのは全国大会です。開会式に皇族の方が参加されることもあります。式典をやり、夜はパーティーをする。皆さんを呼んで食事を作って食べてもらうので、1週間いても、自分のところで1回食事を作ればあとは他のところで楽しめます。
島根県浜田市では世界大会がありました。一番印象に残っているのは、外国から来たキャンパーに日本の祭りの衣装を着せ、町を行進したことです。各国の招待デーもあります。日本デーでは日本の祭りを紹介しましたが、たまたま通りがかった白山市の浅野太鼓が、会場に入らないような大きな太鼓を持って参加してくれました。
世界大会は、英国など海外でも5、6回参加しています。1000~5000台が集まるので、会場は歩いて一回りできないほどです。朝から各サイトとも友達を呼んだり呼ばれたりし、ワインを飲んでお祭り騒ぎをします。参加者はだいたい決まっており、「また会えたね」という挨拶が行われる。僕らは、荷物を向こうのキャンパーに預けておいて世界大会が開かれたら運んでもらう、そういうような付き合い方もしています。
費用ですが、どこのキャンプ場でも最近はコテージやバンガローができており、暖房、流し、シャワー、トイレすべてが近代化されています。5、6人の家族で行っても一泊2万円から2万3000円ぐらい。駅前のホテルを使うより安くつきます。ぜひ一度お試しになれば良いと思います。
私たちのクラブができて20年近く。不思議に思うのは会員にお医者さんが多いことです。できた時に参加された3人のお医者さんは仲間で、3人とも名医。1人は循環器、1人は外科、1人は内科の先生で、今でも続いています。また、医科歯科大の名誉教授が会員である女医さんと初めてキャンプに来られたことがありました。テントの中で休んだことを、どこのホテルに泊まるより楽しかったと言われていました。皆さんも一度体験して、キャンプの楽しさを知っていただきたいと思います。