エコカーのはなし-HV・PHV・EV-

エコカーのはなし-HV・PHV・EV-

トヨタカローラ石川(株)代表取締役副社長 勘田 正人氏(金沢みなとRC会員)

 エコカー(エコロジー車)は、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、その中間に位置する、自宅で充電でき電気走行の距離が長いプラグインハイブリッド車(PHV)の3つが主流です。この後、水素カー(燃料電池車)の話も少しします。
昨年12月の東京モーターショーの一番人気はトヨタのコーナーでした。その中でも、「走るスマートフォン」といわれる「Fun-Vii」には人垣ができ、私も見ることができないほどでした。スマホを使って、その日の気分で車体の色を自在に変えられるのです。花柄も選択できます。近い将来市販されると、自動車選びが楽しくなります。
次の人気が「AQUA」。コンパクトクラスのHVで、1リッター当たり40㎞と最高の燃費で、今注文しても納車は夏になります。次が小型のスポーツカー「86」。昨年12月に富士スピードウェイで試乗しましたが、安定性と操作性が高く、4月から乗っていただくことができると思います。
4番目の人気が「FCV-R」という水素カー。2015年に市販されるよう計画されています。排出されるのは水蒸気だけ。1回の水素充填で700~800㎞走れます。
1月9日からの北米国際自動車ショーにトヨタが出した「NS4」はPHVで、2015年に市販の予定です。カメラとレーダーで自動的にブレーキ制御し、事故を回避する車です。平成17年にトヨタ自動車の先代社長・渡辺捷昭(かつあき)さんが就任したとき、3つの夢があると言っていました。「走れば走るほど空気をきれいにする車」「1回の燃料充填でアメリカ大陸を横断(5000㎞)できる車」「絶対事故を起こさない車」。今、現実味を帯びています。
エコカーの特徴を紹介します。
HVの代表格はプリウス。1800ccのカローラクラスと比較すると低燃費で車体価格もそう変わりません。静かでスムーズに走るのが特徴で、EVより航続距離が出せます。
PHVは、通勤や買い物などなら電気だけで走れます。燃費はHVの2倍強良く、航続距離も1400㎞あり心配がいりません。二酸化炭素もHVの6割弱しか出ません。
EVは二酸化炭素の排出はゼロで、HVより静かですが、航続距離が公称200㎞、実際は100~150㎞で充電スタンドが少ないのがネックです。トヨタも春に市販化します。
水素カーはEV より静かで、燃料の充填も3、4分ですみます。価格は500万円ぐらいで、水素ステーションも全国で11カ所しかありません。この2点が改善されると、この車が主流になると言われています。