アメリカのロータリークラブ

アメリカのロータリークラブ

日米政経研究所所長 米村 照夫氏

私は珠洲の鵜飼という軍艦島のある町の出身で、学生時代から国際関係の仕事がしたかった。東芝に入ったが父親の突然の死で会社をやめ、珠洲の自宅に帰った。しかし、海外交流の思いが絶ちがたくアメリカの北西部ワシントン州にオリンピック半島があることを思い出し、能登半島との交流を考えた。
それにはロータリークラブとの交流が一番ということになり、ガバナー就任が決まっていた金沢西ロータリークラブの田中嘉太郎氏に相談した。その結果、翌年開かれた国際ロータリー大会に合わせ、シカゴの近くにあった高峰譲吉の関係会社マイルズ社を訪問したり、9・11事件の世界貿易センタービルに事務所を開設したばかりの北陸銀行や、ワシントンD.C.の大統領府を訪問した。そのときに金沢西RCの田川(一明)さんにも一緒に参加していただいた。
オリンピック半島との交流では現地からロータリアン数名が石川県を訪問してくれた。そして17 ~ 18年間、アメリカ各地のロータリークラブを訪問できたという幸運に恵まれた。
アメリカのロータリークラブの活動は日本とちょっと違うと思う。
一つは会員をたくさん募ることに非常に大きな力を尽くしていることと、例会に自分のお客を多く連れてきてロータリークラブの活動をみんなに知ってもらうことに熱心で、会場を盛り上げている。
アメリカは原則として食事はビュッフェ形式でやっていて、量もそんなに多くない。早く行かないと、途中でなくなってしまう。しかし、決められた会費は払わなければならない。遅れてくる人は多分、メーキャップのために来るのか、あるいは講師の話が面白そうだから、ぜひ聞いてみたいとか、そのどちらかではないか。そういう方は余分に寄付したと思えば、それでいいことになる。
また若い人たちが集まり、新しいロータリークラブを作るということも非常に活発にやっている。
アメリカのロータリーでは、社会をどうして良くしていくかが大きな話題になっている。ロータリーに政治家がずいぶん呼ばれている。どういう目標で、何をやり、社会を良くしていこうとしているのか話してくれという強い要求がロータリアンからなされる。多くの政治家はロータリーに一目も二目もおかなければ当選が危うくなるので、非常に気を使っている。
20人ばかりの上院議員にも会えたが、結論的にいうと、ロータリーの目標は社会をどうして良くしていくか、そのためには奉仕の精神が非常に大事だ。国際交流、国際観光が大変重要になってくる。英語など言葉の問題をクリアして金沢を訪れる外国人と1人でも多く接していただきたい。