みんなが安心して暮らせる街を目指して!

みんなが安心して暮らせる街を目指して!

金沢赤十字病院 副院長・第一外科部長
西村 元一氏

 皆が安心して暮らせる街を目指して、在宅医療に取り組んでいます。
 今からの高齢化社会においては衣食住を含め、医療・介護等も一緒にやっていかないといけないと思っています。
 企業の方々も時代と共に変わってきていると思います。一般的に常識や考え方といっても、例えば高度成長期を体験した人とそうでない人では理解出来る事も変わってくると思います。自分達が当り前と思っていても、それが当り前でないと思っている人もいます。いろいろな考えの人達との交流によって思いもつかないアイデアが生まれたりします。
 私のミッションとしては、病んだ人も、老いた人も安心して暮せる街にしたいと思っています。
 今から高齢者になる私達ですが、診断技術・治療技術の向上でガン・心臓疾患等の病気も治るようになってきていますので、生活習慣病を抱えた人も多くなります。
 最近ロコモティブシンドローム(運動器の障害による要介護になるリスクの高い状態)の人が非常に多くなっています。これから今以上に、要介護・要支援・治療中の方が増えてきます。
 何でも病院に行くのではなく、今からは本当に病気で治療が必要とする人が病院へ行く時代になってきます。クリニック等に通院するか、往診に来てもらうという病院外の治療も考えていかなければいけないと思います。病院内と病院外という地域完結型の医療、地域包括ケアシステムが必要と思います。
 一番大事なのは人と人とのコミュニケーションであります。
 メラビアンの法則(人の第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まり、又その情報のほとんどが「視覚情報」からえているという概念)ザイアンスの法則(人間は知らない人には攻撃的な態度をとり逆に会えば会うほど好意を持つようになる)がありますが、顔を合わせないと言葉だけではコミュニケーションがうまくとれません。その為には顔を合わせるという事は非常に大切なことです。
 ハーバード大学の研究では、ポジティブな人の回りには人が集まり、ネガティブな人の回りからは人が去って行きます。人とのつながりをいかに大事にするかという事が重要だと思います
 金沢が持っている親しみ・安らぎ・こだわり・優しさを大切にして、医療・介護・福祉も携わって、魅力ある街づくりをしていかなければいけないと思います。