たべもの雑感

たべもの雑感

佃食品(株) 代表取締役社長 佃 一成 氏(金沢北RC会員)

 私は74歳です。学校を卒業してすぐに父の仕事を手伝ったので、この道に入って51年目です。父の教えで、原料・調味料にとことんこだわり、添加物を一切使っておりません。父や先輩の教えを聞いて何とか仕事をやれるようになったと思います。高光一也先生からいつも言われるのは、燃焼し尽くして面白かったという人生を送れということです。父からは、「損得」と「理念」で迷ったときは、無条件に「理念」を取れと教わりました。
 良い食品の4つの条件は、1. 安全で安心して食べられること、2. ごまかしのないこと、3. 味の良いこと、4. 品質に応じて妥当な価格であることです。私ども食べ物を作る立場からは、原材料の厳選、加工段階での純正が重要です。食品の世界は玉石混交です。スーパーなどで見ても「宝石」は多くありません。当社のコンセプトは、1. 無添加商品、2. 価格競争より品質競争、3. 製造から販売まで一貫システム、4. HACCPシステム、5. 職人の技を守り伝える、6. フードアーティストカンパニー、7. 原料の厳選と味の追求です。食品産業には、レトルト技術、フリーズドライ技術、微粉末技術など様々な技術があります。
 50年以上この仕事をしてきて、危機こそがチャンスだと思います。当社はオイルショックによってバーナーを減らす工夫をしました。危機を突破するのは知恵だと叔父から教わりました。
 食品は、本物(お薦めしたい食品)と問題のあるもの(お薦めしたくない食品)があります。見極めて食べて頂ければと思います。