不動ホールディングス 最高経営責任者 藤田 一郎 氏
私は、1週間のうち水木金は東京、月火は金沢、土日は七尾で過ごしていますが、東京の不動産業界は活発です。それに比べて北陸は低調です。消費税の増税のダメージは大きいと思っています。
日本の不動産中古市場は世界に比べて非常に悪いと言われています。中古物件が流通せず解体されてきたのは、建物が古くなったためではなく、生活様式の変化によって使い勝手が悪い建物になったためであると考えられます。現在では24年前と生活様式はあまり変化しておらず、建物の機能は変わらなくなっていますので、今後は中古市場が見直されていくと思います。
当社は、東京に3店舗、全国に14店舗の支社・営業所を置き150人くらいの体制で不動産業とローン会社を経営しております。
不動産業は大資本があまりありません。慣習が強すぎるからだと思います。また外資の不動産業者もありません。風習の壁があるからであると思います。不動産業者は倒産件数が少ないのも特徴です。
金沢では若手の不動産業者の参入がほとんどありません。石川県で20年前に1300社あった不動産屋が現在は700社しかありません。10年後には400社程度になっていると言われています。
不動産業者は売り主・大家さんの財産を守るのが商売であると考えています。売り主さん・大家さんに損をさせないために仕事をしています。そのために嫌われ体質と言われているのだと思います。
売り主の立場で不動産業者と契約するには、専任媒介契約・一般媒介契約の2種類がありますが、不動産業者は、専任媒介契約をしないと宣伝・広告をしません。専任媒介契約の縛りがきついと思われるかもしれませんが期間は、3か月以内と決まっていますので、その期間内に一生懸命仕事をしてもらえばいいのです。
不動産業界には、買付証明というものがあります。売り主に拒否権があります。そのようなところが他の業界と異なると思います。
目利きについてですが、10階建てのマンションでは10階が一番高い値がつきます。ただエレベーターがあることが条件です。エレベーターがないマンションでは、不動産業界全世界共通で3階が高いです。平面では、エレベーターから一番遠いところが高いです。店舗ですと1階が一番高いです。2階と地下1階ですと、不動産業の指標では、アジア圏は地下1階が、アメリカ・ヨーロッパは2階が高いとされています。
賃貸物件と売買物件どちらがいいかとよく聞かれますが、東京では賃貸、金沢では売買だと思います。