あなたの脳を錆びさせないコツ

あなたの脳を錆びさせないコツ

金沢大学大学院医学系研究科・再生脳外科・科長 山嶋 哲盛 氏

 昨年、「サラダ油が脳を殺す」という本を書きました。内容は、ここ3年ほどの間に、市民講演などでお話している内容です。
サラダ油の成分は、大豆かトウモロコシです。トウモロコシの粉末から油を抽出するには、ヘキサンなどの灯油の成分を利用して油を抽出します。灯油は人体に毒なので、高温で気化させるのですが、この工程でアルツハイマーや動脈硬化の原因になるヒドロキシネナールという悪い物質が作られてしまいます。
従来、アルツハイマー病は遺伝的な背景がある人だけがなるものと考えられてきましたが、遺伝子に異常がなくても、生活習慣によって、誰でもアルツハイマーになるということがわかってきました。
「脂(あぶら)」は常温では固体で、液体のものが「油」です。固形の「脂」は加熱すると液体になり、体内に入ると固形になります。内臓脂肪や皮下脂肪、血管のコレステロールになります。液体の「油」は体内に入ると血液とともに移動して、細胞の膜になります。脳の神経細胞にも膜を張り、悪い影響を及ぼします。
戦後の教育ではリノール酸を摂取するとよいと言われてきましたが、間違いです。サラダ油を無理やり固形にしたものがマーガリンですが、これは猛毒です。日本製のマーガリンは、欧米では発売禁止であることはあまり知られていません。
神経細胞が死ぬことによって、アルツハイマー、パーキンソン病などいろんな病気の原因になります。これを引き起こしているのがサラダ油に含まれるヒドロキシネナールです。
もう一つ、脳に悪いものが電磁波です。10歳以下の子供が携帯電話を使うことで、脳腫瘍が発生するケースが多発し、WHOも警告を出しています。電子レンジやIHクッキングヒーターからは強力な電磁波を発生します。IHクッキングヒーターが普及してから、妊婦の死産率が倍になり、奇形児も増えています。
電磁波を受けても良質な油が細胞に入っていく場合には問題がないのですが、質の悪い油が入るとこのような問題を引き起こします。レストランやファーストフード店の商品、お菓子などの油がよくないので、かわいい子供や孫には、避けさせるようにしましょう。
脳を老化させないためにも、加温、圧縮して作る油ではなく、低温圧縮のものを選びましょう。ペットボトルなどに入っているものも基本的にダメで、瓶などの褐色や緑色のボトルに入っているものが安心です。リノール酸、植物性油脂、食用油と書いてあるものはダメです。
大豆油、コーン油、べに花油はダメです。こめ油はリノール酸が少なく、安心して使えます。紫蘇油、えごま油、亜麻仁油、エキストラバージンのオリーブ油もいいでしょう。料理の目的に応じて使い分けるのをおすすめします。良質な油は、油専門店やデパートの地下、インターネットで入手できます。