あたらしい『こまつ』創り

あたらしい『こまつ』創り

(株)アンヤット代表取締役 濱本 学泰氏

 自分たちが小松に育てていただいたことに感謝して、「アンヤット」という会社を昨年4月に設立しました。「未来のこまつを創る」ことを目的にした社会的企業です。NPOではなく株式会社にしたのは、ちゃんと収益を出して小松でもお金が回ることを体現したいという思いからです。
小松にある資産を有効活用することで、ビジネスを行って収益をあげて、最終的には街に還元していくことを目的としています。街に投資していく資金作りのために、ビジネスを行っています。社名をカタカナにすることで、県外の方からも由来を聞かれるように工夫しました。
かつて東京でファンドマネージャーの仕事をしていた時に、毎日4人くらいの上場企業の社長と面談をしていました。在職中、延べ9,000人の上場企業の経営者と話をしたエッセンスを何かに使えないかなと思い、コンサルタント会社を設立しました。しかし、やっぱり小松を何とかしなきゃと、帰ってきました。
私は、「小松志民によるまちづくり」を提唱しているのですが、”こまつ”を愛し、自らの損得勘定ではなく、全体としての”こまつ”の発展を願い、活動を実行できる人々を増やしていきたいと考えています。
私たちが考えている「まちづくり」は、志のある方たちによるムーブメントと考えています。一日一つでもいいので小松のいいところを口に出していきませんかということを、草の根的にやっています。そうすると自分もその地域を好きになりますし、「何とかせんなん」と思うようになるからです。
将来ビジョンとして幾つかのことを考えていますが、まず街中に人が歩いて賑わう町並みを目指しています。町家を利用した住人と観光客が共存する町になればいいなと考えています。小松市内で循環できる経済システムの構築も重要です。新幹線が来ることで小松空港需要の低下、南加賀への影響も大きいと思っていて、観光ハブとしての役割による解決が必要と考えています。他には、住みたくなるまちづくりや粋な文化の発進できるまちということを目指しています。
将来ビジョンを10年かけて実現していく考えですが、当初の5年で中心市街地再生を行い、何か変わったなと思っていただけるようにしたいと考えています。目先2年では4事業の立ち上げを目標としています。小松うどんの全国ブランド化、小松産六条大麦の地産地消、「カオッサこまつ」という小松の良いもの・懐かしいものの販売促進事業、中心市街地の「市」復興事業などです。