『非常識症候群』を憂う

『非常識症候群』を憂う

元北國新聞社 論説委員長  福田 敦宜 氏

 最近常識を欠く振る舞いが多くなってきました。バスツアーに5ヶ月位の赤ちゃんを連れてきたり、公共の場である車内での化粧や携帯電話など驚くばかりです。学校に対して過度な要求をするモンスターペアレンツが出現しています。義務教育なので給食費を支払わない、幼稚園などでは汚れ物も洗濯すべきなど要求がエスカレートしてきています。このような非常識が、社会を崩壊させる強いウィルスのように汚染蔓延しています。
これは戦後教育に原因があります。個人主義、自由主義を広め、権利ばかりを主張し、義務のあり方を教えなかったからです。東京裁判昭和史に対する自虐的歴史観の影響があると思います。
また、日教組に一因があります。その教育を受けた団塊の世代が第一世代ですが、今はその親を見て育った第二世代が拡大生産されました。そして今、それらの世代が社会の中核にいます。悪貨は良貨を駆逐すると言いますが影響大です。それには学校教育が変わる必要があります。学校の先生を選べる社会を作る必要があり、学校に競争原理が必要です。
常識とは、人に迷惑をかけないこと、人・物・動物(生きとし生けるもの)にやさしくすることです。まず一人ひとりが自覚し実行します。そうすると個人が出来るようになり、社会全体が出来るようになります。
家庭では「おはよう」などの挨拶や、朝食を家族一緒に食べる事が大切です。これにより家族愛が深まります。家族愛から隣人愛、そして地域、国、さらに国境を越えた愛に広がっていきます。
金沢経済同友会では「ふるさと愛」を育てることを展開しています。歴史、伝統を学び、生まれ育った地域の文化伝統をつないでいくことが、「ふるさと愛」を育てることです。社会のリーダーである皆さんが家庭、社会で目を光らせていただいて、少しづつでも石川県が良くなればと念じています。