『装いにおける気配り』~戦略的色使いと魅力的色使い~

『装いにおける気配り』~戦略的色使いと魅力的色使い~

カラーコンサルタント 五色空間 代表 金場 弘枝氏

 「装う」と「着る」という言葉は同じように使われがちですが、相手がいるかどうかという違いがあります。「装い」には必ず相手がいて、目的にあわせて、相手への敬意を表すものです。「装い」は相手への気配り・思いやりだと思います。社会心理学者によると、「装い」には、①自分自身を確かめ、強め、変える機能、②他者に何かを伝える機能、③他者とのかかわりを調整する機能があります。
 「パーソナルカラー」とは、「好きな色」ではなく、「似合う色」のことをいいます。今日の私の服・メイク・アクセサリーはすべて自分のパーソナルカラーで統一しました。自分を引き立ててくれる色、自分と調和する色です。これは1960年代にアメリカで発生したものです。大統領選挙のテレビ演説でパーソナルカラーを取り入れたケネディがそれまで優勢であったニクソンを破ったことから有名になりました。
 似合う色を見分けるポイントは、①肌の色、②髪の色、③瞳の色、④ほっぺたの色、⑤唇の色、⑥骨格、⑦性格です。これらによって似合う色のグループが分かります。必ずイエローベースかブルーベースに分けることができます。私は黄色っぽい色が似合うタイプです。古谷さんは、オレンジ系よりも青みがかったピンクとか黒と白のモノトーン、シルバーなどがお似合いです。
 パーソナルカラーを取り入れることによって、その人自身の持っている魅力が存分に発揮され、その結果、笑顔が増え、家庭や会社、社会が元気になることを目的としています。そのさい、パーソナルカラーだけではなく、雰囲気にマッチした色(イメージカラー)、背景にマッチした色(バックカラー)、目指すものの似合う色(たとえばスポーツで勝利するための赤色など)も意識していただければと思います。
 パーソナルカラーは一生変わることはありません。その人の持っている赤み(色素)はヘモグロビンの量によりますが、これは日焼けをしても変わりません。パーソナルカラーを知ることは自分自身への思いやりであるとともに、周りへの思いやりにもつながるのではないかと思います。装いにおける気配りのなかに、ぜひ色への気配りを入れていただきたいと思います。