「知っていますか?」動物愛護法&地域ねこのこと

「知っていますか?」動物愛護法&地域ねこのこと

特定非営利活動法人 猫の避妊と去勢の会 理事長
愛玩動物飼養管理士 桐畑 陽子 氏

 猫の事についてあまり良く知らない方もいらっしゃると思いますので、レジメに沿ってゆっくりと説明してまいりたいと思います。
1「動物の愛護及び管理に関する法律」
 平成26年度は全国で79,745匹の何の罪もない猫が殺処分されています。処分の方法は「ドリームボックス」という箱に入れられて、二酸化炭素ガスを箱に充満させて処分します。これは決して安楽死ではなく、大変苦しんで死んでいきます。どうして処分されなければいけなかったのしょうか?そこでこのような悲惨な状況を起こさないよう「動物愛護法」が制定され、平成24年の改正の際、殺傷や虐待、遺棄などをした場合は懲役刑や罰金が強化されました。なお対象の愛護動物は11種類です。
2「猫の伝来」
 記録上では紀元999年、平安時代に中国から猫が運ばれました。その時代は宮廷内のみで飼われていました。その後、江戸初期になり、ネズミ退治対策として、「城内の猫の綱を解き放て」と命じるおふれが出され猫は城外にも出るようになりました。明治時代、ペストの流行でこれもネズミが原因ということで「一家に一匹の猫を飼うこと」が推奨されました。
3「現代の問題点」
 猫の苦情で多いのは、糞尿の問題、子猫が生まれ増えすぎた、発情期の声がうるさい、などがあります。猫は繁殖力が強く、生後6ヶ月経つと子供が産めます。年3回~4回出産でき、1回の出産で4匹~8匹生みます。去勢や避妊手術をしない猫を放置するとあっという間に数が増えてしまいます。この事をよくご理解してください。
4「地域猫活動のすすめ」
 地域猫活動とは、いわゆる「ノラねこ」を適切に飼育・管理するために、地域住民の合意と協力のもとで共同飼育する活動の事です。「地域」・「ボランティア」・「行政」の三者共同活動です。ノラねこはあなたの地域にも必ずいます。まずは出来る事から協力し、猫の命を守りましょう。
5「地域活動T・N・Rの手順」
 T(トラップ)・N(ニューター)・R(リターン)の略称で、捕まえて、手術して、返す。そしてM(マネジメント)。この手順で行います。なお手術した猫にはしるしとして耳にVカット入れます。
6「応援します」
 手術費用は一般的にオス猫で15,000円前後、メス猫で20,000前後かかりますが、飼い主のいない猫を手術する際には「玉桜基金」を活用出来ます。これにより費用は4,000~5,000円で済みます。この基金の実績は過去5年間で1,935匹です。金沢市も助成金を出していますのでご活用ください。
 また、猫に関してお困りの際は「地域猫相談」や「猫のこまりごと相談」も随時受け付けております。このような活動を通じて、動物愛護の考えをより多くの市民の方に認識していただき、人と猫と子供と笑顔のある社会の実現に貢献してまいります。