「温故知新」で友好の深化を熱望

「温故知新」で友好の深化を熱望

金沢西ロータリークラブ会長 能登 隆市
平成22年3月18日

金沢西ロータリークラブの姉妹クラブである台北西ロータリークラブの55周年記念式典に参加するため、平成22年3月16日、総勢21名になる当クラブの訪問団が台北に向けて出発し、無事4日間の日程を終え、帰国しました。
記念式典での能登会長の祝辞

 台北西ロータリークラブの皆様には創立55周年を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。心よりご祝福申し上げます。昨年9月、私どものクラブ創立45周年記念式典には遠路お運びをいただき、錦上花を添えていただきました。皆様の変わらぬご友情に、あらためて厚く御礼申し上げます。
昨日は、姉妹クラブ懇談会が設定され、夜は前夜祭で大歓待を受けました。また、その席で姉妹クラブ盟約更新を改めて結ばせて頂きました。今日まで、43年の長きに亘って友好交流の歴史を重ねてまいりましたが、貴クラブ歴代会長並びに会員の皆様のご厚情に衷心より感謝申し上げます。
国際奉仕、異文化交流という観点から申し上げますが、日本に魅せられ日本人よりも日本に精通し愛着を持った外国人を、私は何人も挙げることができます。また、同じ視点で、台湾発展に熱情を燃やし身命を賭した日本人を、私は知っています。その人物は、わが故里金沢の偉人、八田與一であります。
今から80年前の1930年、嘉南平原の農業灌漑を目的として建設された、台南県の「烏山頭ダム」は、その八田與一技師が心血を注いで完成させたものと聞きます。造られたダムは東洋一、完成までに10年の歳月を費やした難工事であったこと、この間、八田技師は清貧に甘んじ率先躬行し続けたといいます。八田は戦争末期、南方開発に派遣される途中、攻撃を受け船とともに海の藻屑となりました。今はその地に八田技師の銅像が建てられ、夫妻の墓前では、命日に農民によって花が手向けられ祭りが行われると伝聞するところです。
八田與一が評価されたのは、地元でも最近のことであります。本日、烏山頭ダムを見学、八田技師の墓前に参詣して来ました。孟子の箴言「君子は翡翠のごとく輝きもせず、小石のごとく軽んじられもせず」です。伝え残すもの、奉仕すべきものを持っている、それはロータリー精神そのものでしょう。わがクラブが、貴クラブの水資源確保のWCSプロジェクトに賛同申し上げましたのも、そんな背景を持つからであります。
私はロータリーの奉仕活動とは「地域に軸足を置いて世界を考えること」と学びました。格差社会が拡大し混迷の時代を迎えています。伝統ある貴クラブに学びながら、啓発しあいながら、手を携えながら、それぞれの地域から、強いメッセージを持った真の奉仕を目指したものです。
幸い、日本と台湾は歴史的にも文化的にも良好で深い関係を継続維持してきました。貴クラブの55周年、我がクラブの45周年と、お互い節目の年ですから、「温故知新」で更に信頼、友好の関係が深化しますよう熱望します。
最後になりましたが、貴クラブの更なる発展と会員の皆様のご健勝、ご活躍を祈念申し上げます。

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